台北の慰安婦記念館、移転して一般公開再開/台湾

【社会】 2021/10/28 17:19 文字サイズ: 字級縮小 字級放大
「阿嬤(おばあちゃん)の家 平和と女性人権館」の一角=婦女救援基金会提供

「阿嬤(おばあちゃん)の家 平和と女性人権館」の一角=婦女救援基金会提供

(台北中央社)資金難のため昨年11月に閉館した台北市の慰安婦記念館「阿嬤(おばあちゃん)の家 平和と女性人権館」が27日、市内の別の場所に移転し、一般公開を再開した。

同館は台湾初の慰安婦記念館として2016年に迪化街にオープン。元慰安婦の人生を紹介するほか、現代女性の人権をテーマにした展示を行うスペースや社会教育の拠点としての役割も担った。移転先は台北メトロ(MRT)民権西路駅から程近い場所。来月25日まではプレオープン期間とし、月~金曜の午前10時から午後5時まで開館する。

運営元の人権団体「婦女救援基金会」によると、展示スペースは5つのコーナーに分かれ、常設展示エリアを4カ所、特別展示エリアを1カ所設置。空間ごとにそれぞれ異なるイメージの装飾を施したという。女性がだまされて慰安婦になった際に逃げ出せなくなった状況を表現した金網や苦難を乗り越えやっと帰宅できた際のぬくもりを表す家やトランクの要素を取り入れた。

また同館が保存する文物や史料は、実物を陳列するだけでなく、今後は映像や音声などマルチメディアを活用して展示。展示エリアにQRコードを設置し、インターネットを通じて詳しい情報を入手できるようにした。記念館とのつながりが保てる工夫を施したと説明している。

(呉欣紜/編集:齊藤啓介)