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  •  火災で多数の死傷者が出た個室ビデオ店=08年10月1日、大阪市浪速区

    個室ビデオ店放火で死刑判決 大阪地裁「命で償いを」

     16人が死亡、4人が負傷した大阪・難波の個室ビデオ店火災で、現住建造物等放火と殺人などの罪に問われた無職小川和弘被告(48)に大阪地裁は2日、「最大限の非難に値し、生命をもって罪を償うべきだ」として求刑通り死刑の判決を言い渡した。

     弁護側は即日控訴した。

     検察によると、死者数は戦後に起訴された放火事件で最多。小川被告は公判で「火を付けていない」と無罪を主張していた。

     判決理由で秋山敬裁判長は「小川被告の部屋で炎が上がっていた」との店員らの証言と、焼け跡の状況から炎の流れを特定した現場検証の結果を基に「火元は被告がいた部屋で、失火は考えられない」と小川被告の放火を認定。「避難しにくい店の構造や、ほかに客がいたことを理解しており、放火すれば死者が出ると認識していた」と殺意も認めた。

     弁護側は小川被告が当初、容疑を認めたことについて「任意性、信用性がない」と主張していたが、秋山裁判長は「自白は詳細で具体的。厳しい刑から逃れたいと思って否認に転じたとみられ、供述調書は信用できる」と退けた。

     その上で死刑を選択した理由を「自殺目的の動機は身勝手極まりなく、何の落ち度もない16人を殺害した残虐な犯行だ」と述べた。

      【共同通信】