東日本大震災から7年── 関連番組のお知らせ

NHKでは、東日本大震災から7年となる3月に、さまざまな番組で震災を見つめ直し、被災地を応援する番組をお送りします。

「特集 明日へ つなげよう~震災から7年~」

【放送予定】3月11日(日)総合

▼前7:50~8:00「プロローグ」

▼前10:05~11:54
第一部 福島編「“通い”でふるさととつながる」

▼後1:05~5:00
第二部 宮城編「人形が紡ぐ新しい絆」
第三部 岩手編「よみがえれ“青春列車”」

震災から7年となる3月11日に、仙台のNHK新会館をキーステーションに東北の被災3県をつなぎ、「特集 明日へ つなげよう」を放送します。
被災地では巨大な防潮堤が姿を現し、盛り土の上には商店街がオープン。仮設住宅から復興公営住宅へと復興は進んでいます。しかし、必ずしも前向きな人ばかりではありません。仮設から移った先でかえって孤独に陥る人、避難指示が解除されたのに、故郷での子育てを断念する一家…。明るみに出て来た“復興の光と影”。
番組では、「あさイチ」でおなじみアッキーこと俳優・篠山輝信しのやま あきのぶさんが続けている被災地の旅とも連携し、南から北へと鉄路をたどりながら“影”を“光”に変える取り組みをご紹介します。福島からは、帰る帰らないの二者択一ではなく、故郷に通いながら復興に尽力するする人たちが登場。宮城からは、仮設住宅のお母さんたちが作った人形を通して被災地と全国の間で結ばれた絆の物語。岩手では、最新のAR技術を使って懐かしい町並みと列車を復活させようという前代未聞の試みが…。被災者の背中を押す試みを通し、私たち一人ひとりができることを考えます。

【出演】<NHK仙台>MC:畠山智之アナウンサー、寺門亜衣子アナウンサー

【ゲスト】小池栄子、篠山輝信、春風亭昇太、中村雅俊、平田オリザ、小林武史、Salyu

【中継先】(福島)足立梨花、今井翔馬アナウンサー
(宮城)マギー審司、小野文惠アナウンサー
(岩手)いとうせいこう、千葉美乃梨アナウンサー、手嶌真吾アナウンサー


「津波ピアノ ~坂本龍一と東北の7年~」

【放送予定】3月10日(土)総合NHKワールドプレミアム後11:25~11:58

東日本大震災で流され、壊れた1台のピアノ。音楽家の坂本龍一さんは被災地を訪ね歩いた際、このピアノに偶然出会い、試弾しました。自然の力で調律から解き放たれたピアノの音は坂本さんの心に残り、後日、坂本さんはその音を8年ぶりの新作アルバムに使いました。さらに坂本さんはそのピアノの鍵盤にセンサーを取り付け、コンピューターと接続、地震波の動きを音に変換する装置に生まれ変わらせました。「あの出来事を忘れてはならない」という、震災の風化を強く危惧していた坂本さんなりのメッセージです。ピアノの持ち主だった宮城県農業高校の教師や生徒は、生まれ変わった「津波ピアノ」の音色に何を感じたのでしょうか。ピアノを取り巻くさまざまな人々と坂本さんの足取りを追います。


「#311246 大切なものは何ですか?」

【放送予定】3月11日(日)総合後11:20~翌前0:20

東日本大震災から、もうすぐ7年。それは、私たちの幸福観、価値観を大きく揺さぶりました。私たちは、視聴者の方々に「今のあなたにとって、大切なものを撮影してください」という呼びかけを行い、寄せられたスマホ映像によって、3月11日 午後2時46分「あの日あの時」から始まった物語をつづっていきます。
いま、あなたがいちばん大切にしているもの、それは家族との団らんの時間かもしれません。手塩にかけて育てたぬか床かもしれません、デスクトップの前に飾っているサボテンかもしれません…。ささやかだけど、かけがえのないもの…。日本中から幸せのかけらを無数に集めます。

「大切なものは、ある日突然に失われる。
だからこそ、本当に大切にしなければいけないものを、この日だけは立ち止まって思いをはせる」

そんな番組をめざします。

【MC】篠山輝信、伊東敏恵アナウンサー

【ゲスト】平田オリザ、いとうせいこう、山戸結希


「21人の輪~相葉雅紀がみつめた子どもたち~」

【放送予定】3月27日(火)総合後10:00~10:49

嵐の相葉雅紀さんには、この7年、ずっと気になっている子どもたちがいます。
それは、「21人の輪」という番組で知り合った子どもたち。
「21人の輪」 は、平成23年6月から24年5月にかけ、10回にわたり放送したドキュメンタリー番組です。3月11日に発生した地震、津波、原発事故の影響を強く受けた福島県相馬市の小学6年生の子どもたちの姿を、1年間にわたり見つめ、その番組で相葉さんはナレーションを担当しました。当時、相葉さんは「ぼくはナレーションという立場で参加していますが、子どもたちが困難に立ち向かい、みんなで力を合わせて乗り越えていく姿に胸を打たれ、応援せずにはいられません」と語っていました。
地震発生から7年。子どもたちは18歳になり、まもなく高校を卒業します。「つらい記憶が残る故郷には残りたくない」と東京に旅立つ子や、「故郷の復興に力を尽くしたい」と留まることを決めた子。人生の岐路に立つ子どもたちは震災のことをどう考え、どう生きていこうと思っているのでしょうか? そんな、子どもたちの気持ちを知るため、今回、はじめて相葉さんが現地を訪れます。子どもたちと直に会い、故郷に対する思いや地震や原発のことなど、揺れる気持ちを正面から受け止る相葉さん。
番組では、相葉さんの目から被災地の子どもたちの「今」を見つめます。


ラジオ特集「3・11 いま、再びの海」

【放送予定】3月11日(日)ラジオ第1後1:00~4:00

豊かな幸を育み、人々にさまざまな恵みを与えてきた三陸の海。7年前のあの日、海は牙をむき、人々の暮らしと命を容赦なく奪いました。この7年間、ある人は海を恨み、海を避けて生きてきました。ある人は海を信じ、再び海から糧を得て生きてきました。
今なお行方不明の娘を探して海に通い続ける夫婦。漁の復活を信じて漁業文化の継承と新たな特産品作りに奮闘する漁業者。被災地に暮らす人々は、さまざまな思いを抱きながら、今も海と共に生きています。
番組では、宮城県気仙沼市出身の生島ヒロシさんと福島の子どもの支援を続ける知花くららさんをゲストに迎え、仙台放送局をキーステーションに、「海」をテーマに“被災地のいま”を3時間にわたってお伝えします。


NHKスペシャル

「死角 河川を遡る津波」(仮)

【放送予定】3月4日(日)総合後9:00~9:49

海から5キロほど離れた宮城県石巻市内のある地区。ここに去年10月、およそ70人の犠牲者を悼む新たな慰霊碑が建てられた。海から離れたこの内陸の集落でなぜ、これほど多くの人が亡くなったのか…。最新の研究によると、深刻な被害をもたらしたのは「河川を遡上そじょうした津波」だったことがわかってきた。この地区のそばを流れる川の堤防が決壊し、集落に甚大な犠牲をもたらしたのだ。あの日、「河川津波」は、海が見えない内陸のまち、いわば“死角”を次々と襲い、多くの犠牲者をだした。宮城県多賀城市では、都市に入り込んだ「河川津波」の恐ろしさも見えてきた。陸より速くまちに進入し、海を背に避難しようとした人たちの前に突如として出現。その後、海からの津波と合流し、コンクリートの建物や道路の間を流れて複雑な動きとなり、四方八方から人々を襲ったのだ。さらに、分析を進めると全国各地に同様の“死角”が数多く存在することがわかってきた。南海トラフ地震のシミュレーションでは、河川が街中に入り組む大阪府で、最大で13万人が犠牲になるという結果が出て、急ピッチで対策が進められている。番組では、当時の証言や映像によって「河川津波」を再現。今後、大きな被害をもたらすおそれがある「死角」を明らかにし、警鐘を鳴らす。

「被曝の森Ⅱ ~原発事故7年目の記録~」(仮)

【放送予定】3月7日(水)総合後10:25~11:15

東京電力福島第一原子力発電所の事故によって放射性物質で汚染された区域はこの先どうなっていくのか? 2016年3月に放送した「被曝の森 ~原発事故5年目の記録~」では、急速に家々を覆っていく植物や、昼間から住宅地に出現するイノシシなど、無人の町が野生に侵食されつつある衝撃の実態を明らかにした。放射性物質の生物影響に関する様々な研究報告も伝え、低線量被曝の謎に迫った。今回の番組はその続編。
去年の春、被災地は新たな局面を迎えた。国による計画除染が終わり、広い範囲で一斉に避難指示が解除された一方で、山間部を中心に「帰還困難区域」として取り残される地域が生まれたのだ。その面積は340平方キロメートル(東京23区の約半分)。対象となる住民は2万4千人に及ぶ。そうした「帰還困難区域」で、放射性物質はどのような影響をもたらしているのか? 科学者による研究は、より深く、より多角化している。これまで調査されてこなかった高線量の森に踏み込み、生態系の中で放射性物質がどのように移動・残留しているのか、解明が進んでいる。科学者たちの挑戦や住民の思いを追いながら、その実態を記録する。

「誰にも言えなかった ~被災地の子どもたち 7年の葛藤~」(仮)

【放送予定】3月10日(土)総合後9:00~9:49

「死にたい。将来は夢も希望もない」「わたしは無感情人間だった。悲しいと言えなかった…」
津波で家族を失った子どもたちが、震災から7年たった今になって悲鳴を上げている。あの日、釜石で被災した当時3歳の女の子。津波から逃げる際に飲み込まれる家屋や遺体を目撃、さらに家族3人を亡くした。壮絶な体験をひとり抱えてきた震災後のある日、耐えきれず感情が爆発。体調不良を訴え不登校になった。10歳になった今になって、誰にも言えなかった体験やつらい気持ちをポツリポツリと語り始めている。被災地で、津波で家族を亡くした子どもは1800人近く。心身の不調を訴える子どもは後を絶たず、宮城県では不登校率が全国最悪レベルだ。こうした子どもたちは心の専門病院やNPOに駆け込んでいる。治療やケアを受け、親にも打ち明けられなかったトラウマ体験や気持ちを言葉で表現することで震災を受け止めようともがいているのだ。番組では支援の現場に密着、語り始めた「言葉」から最大の被災弱者とされる子どもたちが抱えてきた葛藤を見つめる。

シリーズ 東日本大震災
「目指した“復興”はいま ~震災7年 町は 暮らしは~」(仮)

【放送予定】3月11日(日)総合後9:00~10:13

東日本大震災から7年。被災地では、32兆円の巨額を投じて進む復興事業によって、かさあげが進み、仮設住宅から移り住む災害公営住宅もほぼ全てが完成。津波の被災地について政府は「復興の総仕上げ」の段階にあるとしている。そして、原発事故で被害を受けた福島では、大規模な除染が行われ、7割の地域で避難指示が解除された。しかし、今、被災地では想像を超えた事態が起きている。“ついのすみか”のはずの災害公営住宅では、体調を崩し孤立する高齢者が相次ぎ、働き盛りの世代も生計をたてられずに苦悩を深める。かさ上げした新たな街では、住民が戻らず、使う予定がたたない“空き地”が広がる未来が見え始め、人を呼び込むために新たに税金が投入されている。福島では自治体が「学校再開」を急ぐが、子どものいる若い世代の帰還は進まず、前途多難な状況が続いている。今回、私たちは宮城・岩手・福島の三県で2000人に迫る大規模な被災者アンケートを実施、被災地の今をルポしながら、震災7年の課題を徹底取材する。被災地の復興は、過疎化が進み新たな災害と向き合う全国にとってのモデルとなるのか。震災直後から被災地に入り取材を重ねてきた大越健介キャスターが各地を訪ね“復興”のあるべき姿を考えていく。

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