日本看護技術学会誌
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総説
「温罨法」 の統合的文献レビュー
江上 京里
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キーワード: 温罨法, 文献レビュー
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2008 年 7 巻 2 号 p. 4-11

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抄録

 現在実践で行われている温罨法については, 方法や対象がさまざまであり, これまでの温罨法の知見を統合し, 包括的に捉えていく必要があると考える. よってCooperの方法論を参考に温罨法の統合的レビューを行った. 医学中央雑誌 web版1983~2007年で 「温罨法」, そしてCINAHL web版1982~2007年で 「heat application」 で検索を行った. 論文の質を評価し国内文献は28件, 海外文献は5件を対象とした.
 結果, 温罨法はさまざまな対象 ・ 方法で行われていた. その成果は 「加温した局所のみではなく, より末梢の皮膚温や皮膚血流量にも影響」 すること, 「加温した部位はさまざまであっても腸蠕動が亢進」 すること, そして腰背部への温罨法は 「自律神経のバランスを整える」 ことが整理された. 心理的側面では 「温罨法の気持ちよさは, 身体的な感覚によるところが大きい」 ことが示された. 方法については, 「適用の温度が高ければ短時間」 実施する傾向があり, 成果指標は, 自律神経を主とする 「生理学的な指標」 が多くを占めていた.

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