上空から帯広競馬場周辺を眺めると、茶色の屋根の建物が整然と並ぶ一画がある。ばん馬はもちろん、騎手らの生活空間にもなっている通称「厩舎村」。道路に面した“入り口”に警備員が立つ、関係者以外立ち入り禁止のこのエリアを、2回にわたって紹介する。
厩舎村の面積は、競馬場全体の約7分の1を占める5万9063平方メートル。札幌ドームほぼ1個分の広さだ。
エリア内には31棟の厩舎があり、調教師、騎手、厩務員、その家族ら約300人が暮らしている。また732の馬房では、900頭以上の登録馬のうち、650頭が飼育されている。
レース開催中は公正を期す目的で関係者の外出を制限。このため食料品のほか、酒類や雑誌など、一通りの生活用品をそろえた売店を設けている。しかし最近は、近隣のスーパーマーケットで買いだめする人が増えているという。
専用の食堂もある。メニューは丼物や定食を中心に約30種類と豊富。値段は800円前後で、店を営んで12年目の佐藤三男店主は「朝の調教後、料理をしない若い人たちを中心に込みますね」と話す。
また、ばんえい競馬をテーマにした映画「雪に願うこと」で有名になった、朝夕利用できる共同浴場もある。
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