UEFA EURO 2020本大会は、欧州各国の主要都市にまたがって開催されると発表された。これはローザンヌで開かれたUEFA理事会での決定を受けたものである。

1カ国あるいは2カ国での開催ではなく、「欧州のためのEURO」を開催するとの決定は、6月にUEFAのミシェル・プラティニ会長が最初に披露したアイデアに基づいている。UEFAはその後、この提案について加盟各国のサッカー協会と協議を行い、非常に良好な反応を得たことで、この画期的な決定につながった。ただしUEFAのシェネス・エルジク副会長（トルコ）はこの決定を支持していない。そのためこの件についてはUEFA代表チーム大会委員会がさらなる精査を担い、今後のUEFA理事会に報告することになった。

その他の決定事項としては、第三者によるサッカー選手の保有権取得は一律に禁止するべきだとの判断が示された。これを受けて、全世界のサッカー統括機関であるFIFAに対し、世界を対象に、第三者によるサッカー選手の保有権取得を禁じる同様の措置をとるよう要請が行われる。FIFAが適切な手段をとらなかった場合に備え、UEFAは傘下のプロサッカー戦略評議会（PFSC）を通じ、UEFA主催大会における第三者の選手保有権取得を禁じる規制の枠組みを設ける用意もある。この場合、3ないし4シーズンの移行期間が設けられる予定だ。

UEFAはまた、サッカー界の八百長および汚職との戦いにも引き続き積極的に関わっていく。これに伴って、理事会は欧州全土の国内法でスポーツ関連の不正行為を刑法上の罪とする動きに対し、支持を表明した。

理事会はさらに、来夏にイスラエルで開催されるUEFA U-21欧州選手権の本大会について、追加副審の採用を承認した。2人の追加副審はそれぞれ各ゴールラインの横に立ち、ペナルティエリア付近でのプレーを重点的にチェックする。追加副審制は7月、国際サッカー評議会（IFAB）によりサッカー競技規則への追加が決定しており、今季のUEFA主催クラブ大会でも既に導入されている。

2013年4月に開催されるUEFAフットサルカップ本大会の会場はグルジアのトビリシに決まった。また、クラブチームの下部組織を対象に、2013-14シーズンに新たに始まる新たなUEFA主催のユース大会について、理事会は「UEFAユースリーグ」という名称を定めた。この大会の優勝杯には、UEFAのレナト・ヨハンソン名誉会長の名前が冠される予定だ。

理事会では、2013-14シーズンのUEFA U-17女子欧州選手権本大会を2013年の11月26日から12月8日にかけて、イングランドで開くことも決めた。予選は2013年の夏から秋にかけて開催される。本大会は2014 FIFA U-17女子ワールドカップの予選も兼ねている。通常、UEFA U-17女子欧州選手権は6月ないし7月に開催され、続く秋にFIFAのU-17女子ワールドカップが開催されてきたが、今回のFIFAの大会は2014年の3～4月にコスタリカで開催される。

UEFAはまた、長年のパートナーであるTEAMと、UEFAチャンピオンズリーグ、UEFAヨーロッパリーグ、UEFAスーパーカップを含む商業権のマーケティングについて、3シーズンの契約延長を行った。今後の実績次第では、追加でさらに3年の延長が可能となる。新たな合意事項の一環として、TEAMはUEFA理事のミハエル・ファン・プラーグ氏と、 UEFAイベンツSAの最高経営責任者（CEO）を務めるデイビッド・テイラー氏を取締役に任命した。

また、UEFA通常総会の開催場所が、2014年はカザフスタンのアスタナ、2015年はオーストリアのウィーンに決まった。第37回のUEFA総会は2013年5月24日にロンドンで開催される。

2013年最初のUEFA理事会は、スイスのニヨンにあるハウス・オブ・ヨーロピアン・フットボールで1月25日に開催が予定されている。