落合竜の新4番、福留逆転決勝通算100号

福留 (セ・リーグ、巨人3−4中日、5回戦、巨人3勝2敗、14日、東京ドーム)。落合竜の新4番として最高の“初仕事”だ。暗く重いムードをひと振りで変えた。しかも相手のエースを沈めて…。福留の通算100号は超特大の逆転2ランだ。

 「それらしい仕事がやっとできたね。あの打席は単打でもいいからつないでいこうと思った。でも一番よかったよ」

 1点を追う八回二死三塁、カウント1−2から巨人・上原の直球を仕留めた。白球は弾丸ライナーとなって右翼を襲う。“着弾点”は3階席の上にある壁部分、場内が異様などよめきに包まれる推定140メートル弾だ。これぞ4番の仕事だった。

 負けられなかった。前夜は復調を告げる今季1号、2号を含む5打点を挙げながら、まさかのサヨナラ負け。4番としての役割を果たしたが「負けたら意味がない」と唇をかんだ。キャンプで痛めた右ふくらはぎの影響はもうない。あとは自分の手で決めたかった。

 「いやな流れだったからね。4番が打つと流れがよくなるな」

 安堵の表情は落合監督だ。最大6点差を生かせなかった前夜。5時間16分の死闘による疲労は想像以上だった。車で数十分の自宅に帰ることなく選手宿舎に泊まった。心配する信子夫人(59)には電話口で「オレもチームも発展途上なんだよ」とつぶやいた。三冠王3度といえどもコーチ経験のない新人監督。心身ともに疲れていた指揮官にも最高の4番弾だった。

 「巨人と1勝1敗? 御の字だな」。これで貯金1。発展途上の4番、発展途上の監督が進撃を再開する。

兼田 康次

写真:中日・福留は八回、通算100本塁打となる3号2ラン。巨人を粉砕した=撮影・今野顕

データBOX
 福留(中日)が通算100本塁打。14日の巨人5回戦(東京ドーム)の八回、上原から今季3号を放って達成。プロ野球230人目。初本塁打は平成11年4月16日の巨人戦で記録。

★岩瀬借り返す“完全救援”

 前夜の借りを岩瀬も返した。1点リードの九回から登板するとローズ、江藤、阿部を完全に抑えた。救援失敗で敗戦投手となった前日の汚名を返上した。

 「きのうのことを考えても仕方がない。きょうはきょうと割り切って、ひとつ、ひとつアウトをとることを考えた」

 左足中指骨折から見切り発車した影響で不安定な投球が続いたが、明るい兆しの今季3セーブ目だ。

 ◆今季初勝利を飾った中日・遠藤 「開き直って投げました。勝ててよかった」

 ◆七回途中3失点で降板した中日・山本昌 「せっかく続投させてもらったのに、申し訳ない」

 ◆三回一死から左中間への同点1号ソロを放った中日・谷繁は3安打で今季初の猛打賞 「(本塁打は)先に点を取られたし、早めに得点できてよかった」

★ムッ、抜き打ちドーピング検査?

 アテネ五輪日本代表候補の福留、井端、岩瀬、谷繁が、試合後に抜き打ちドーピング(薬物使用)検査を受けたとのうわさが広まった。4人はチームのバスとは別に、遅れて車で球場を離れたが、コメントは避けた。球団関係者は「医者が検査にまつわる注意などをしたのでは。検査はしていないと聞いている」と否定。

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