「あのグループのことずっと気になってるけど、いまさら追いかけられない…」
「あの子たち話題だけど、どんな歴史があるの?」
そんなあなたにお届けする特集企画「5日間でわかる!シリーズ」。
5日間でひとつのグループにフィーチャーし、その歩みや魅力を解説します。

 

(前回の記事:2日目 2期生加入で抗争勃発、魂をぶつけあうアイドルたち

 


 

アイドル性が高い3人の3期生

「AKBアイドリング!!!」としてシングルをリリースした直後の2009年4月、3期生が加入する。1期生、2期生と同様に、芸能事務所に所属しているタレントによるオーディションで選ばれたのは、この3人だ。

 

橘ゆりか(3期生)

19号:橘ゆりか(愛称「ゆりっぺ」)は滋賀県出身で、関西弁が特徴的な正統派美女。加入時から披露する「ゆりかるゆりかる〜」という“あいさつギャグ”は、卒業までやり続けた。また、加入当初は積極的に前に出てくるタイプだったが、徐々にひかえめなキャラに移行。いつしかスタッフから「忍者」と呼ばれるようになってしまう。しかし、定期ライブなどではキレのあるツッコミを入れることも多く、MC能力は高い。

大川 藍(3期生)

20号:大川藍(愛称「あいちゃん」)は、雑誌「JJ」の専属モデルとして活躍する一方で、番組では体力系の企画でも積極的に体を張るなど、バラエティー色が強いメンバー。「アイドリング!!!大相撲」に対する思い入れが強く、後輩である26号:尾島知佳に負けて号泣したシーンは、アイドリング!!!の歴史に刻まれるべき名場面のひとつ。楽曲パフォーマンスではセンターに立つことも多かった。

橋本 楓(3期生)

21号:橋本楓(愛称「かえぴょん」)は、12歳(中学1年生、当時最年少)で加入。グループの妹的ポジションとしてかわいがられ、特に12号:菊地亜美からは寵愛を受けた。独自の感覚から繰り出される天然ボケ的発言が多く、爆発的な笑いを生み出すことも。基本的に“名字にさん付け”でメンバーを呼ぶことが多いバカリズムから、「かえでちゃん」と下の名前で呼ばれる稀有なメンバーだ。

 

個性的なメンバーが多かった2期生にくらべると、どちらかというと正統派といえる3期生。のちにこの3人で派生ユニット「HIP♡ATTACK fromアイドリング!!!」を結成し、CDデビューも果たしているが、たしかにアイドル性の高さが3期生の特徴だったといえるだろう。

 

ちょうど3期生が加入したころから、フジテレビ球体展望室「はちたま」での定期ライブ「はちたまライブ」がスタートしており、バラエティー番組への適性だけでなく、歌って踊るアイドルとしてのアイドリング!!!がそれまで以上に求められていた時期だ。そういう意味では、アイドル性の高い3期生は、アイドリング!!!のパワーアップに大きく貢献したといえる。

 

先輩との「見せ場争い」に苦戦しながら成長する4期生

アイドリング!!!の積極的な姿勢はまだまだ続く。2009年10月から4期生オーディションを開始したのだ。グループ初の一般公募でのオーディションで、応募人数は約5000人。候補者に対する雑誌での人気投票なども実施された。

 

そして2010年3月6日、よしもとプリンスシアターで最終審査となる「4期生ファイナルオーディショング!!!」が開催され、22号:倉田瑠夏、23号:伊藤祐奈、24号:野元愛、25号:後藤郁、26号:尾島知佳の5名が合格し、4期生としてグループに加入する。番組終了時の在籍メンバーは倉田と尾島のふたりだ。

 

倉田瑠夏(4期生)

22号:倉田瑠夏(愛称「るぅちゃん」)は、ぽっちゃり体型をいじられることも多いが、幼いころからダンスを習っており、グループでも1、2を争うダンススキルの持ち主。ふだんは関西弁で物腰やわらかだが、急に毒舌を吐き爆笑をさらうことも。21号:橋本楓と仲が良く「オールカエデニッポン」という企画では、ふたりでラジオパーソナリティに扮し、メンバーたちの裏側を暴露した。

尾島知佳(4期生)

26号:尾島知佳(愛称「オジー」)は、恵まれた体型を活かして、体力系の企画で大活躍。「アイドリング!!!大相撲」では先輩の大川藍らと名勝負を繰り広げた。また、先輩に対してもタメ口をきくなど、フレンドリーで大胆不敵な性格。ときに下品な発言をしてしまうこともあった。自分の胸をわしづかみにして「私のおっぱい500グラム、500グラム」というギャグを持っている。

 

正統派美少女の伊藤と後藤、バラエティー系の倉田と野元と尾島というバランスで加入した4期生。アイドリング!!!の活動において必要な要素はそろっていたものの、グループの人数も増え、ひとりひとりにスポットが当たりづらくなったこともあり、加入当初はなかなか存在感を発揮できずにいた。
言い換えれば、このころから「アイドリング!!!」という番組は、メンバー同士が“見せ場”を奪い合う戦場となりつつあったということなのかもしれない。毎回の企画のなかで、いかに自分が活躍するか、いかにオイシイ場面を作り出すか、という戦いがどんどん激化していったのだ。

 

ほぼ素人の状態で加入した4期生が、これまで番組のなかでいろいろなチャレンジをしてきた先輩メンバーたちと渡り合うにはたしかに分がわるすぎる。存在感を発揮できなくて当然なのだ。しかし、過酷な戦場に身を投じることによって得られるものは絶大で、4期生たちも徐々に個性を発揮させていく。

 

TIF初開催でアイドル界に貢献

2010年8月には、アイドリング!!!の歴史だけでなく、アイドル史においても重要なイベントである「TOKYO IDOL FESTIVAL」がはじめて開催される。アイドリング!!!は、以後2015年までホスト役として参加し、数々のアイドルたちとコラボを繰り広げることとなる。アイドル文化の形成においても重要なイベントであり、アイドリング!!!の貢献度は計り知れない。
2011年10月からは5期生の応募が開始。そして、同12月には7号:谷澤恵里香と8号:フォンチーが卒業する。さらにアイドリング!!!の新陳代謝が進んでいく…。

 

(4日目:5期生とNEO期生の加入による革命、そして全員卒業へ に続く)

 


 

アイドリング!!! 番組公式サイト

 


 
執筆=相羽 真