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日本漫画学院 コミックタ−ミナル

 

2008年11月号/ふなつ一輝先生


ふなつ一輝先生は藤沢とおる先生からのご紹介です。

 今月は藤沢とおる先生のご紹介でふなつ一輝先生を訪問しました。
  現在、集英社刊『週刊ヤングジャンプ』誌面にて、カレーを題材にした料理漫画「華麗なる食卓」を連載中。30巻という長き連載にわたるその背景には、漫画家としての常に読者に飽きられないようにという並々ならぬ努力がありました。画力、ストーリー、今後ますますの躍進が楽しみな先生です。

誕生日

11 月29日

血液型

A型

最近ハマっている事

マクロスF(他深夜アニメ)、バイク、釣り、フィギュアづくり、塗装

最近お気に入り、あるいは
気になる漫画家や作家さん

「エレキング」大橋つよし先生
「ひまわりっ」東村アキコ先生
「よんでますよ、アザゼルさん。」 久保保久先生
「すんドめ」岡田和人先生
「シャトゥーン」増田俊成先生

愛用画材

・自然の木を削り出したグリップのカッター
・自作のトレス台

ふなつ一輝先生

▼ご出身地は…?
 大阪府の東大阪市です。

▼少年時代はどんな感じの子で…?
 絵を描くことが好きで、とにかくCMを見てはそれを真似して描いていましたね。周囲から上手だねえと言われていたので、それが嬉しかったんです。

▼漫画はよく読んでいた?
 もう、生粋の『ジャンプ』っ子でして、いわゆるジャンプ黄金時代の読者なんです。特に大好きなのは、ゆでたまご先生の「キン肉マン」で、キン消しも集めるほど、何回も何回も読んでました。そのほかに、高橋陽一先生の「キャプテン翼」、宮下あきら先生の「魁!男塾」、原哲夫先生の「北斗の拳」、車田正美先生の「聖闘士星矢」も大好きでした。

▼そうなると将来は漫画家の夢を?
 そうですね、小学生の頃から、将来は漫画家になるから、20歳になったら上京するんだ!!ってみんなに言ってましたからね。ゆでたまご先生と同じプロレスを題材にしたオリジナルストーリーも作っていましたから、漫画家になるという夢は持ち続けていましたね。

▼投稿などはした?
 東京に行く為にはまず、資金を貯めないといけないからとりあえず高校を卒業してから、印刷会社に就職したんです。印刷会社ならば、漫画とも関係があるでしょうから、何かの役に立つだろうという思いからです。20歳までの間に4本を描いて、19の時にジャンプの月刊ホップステップ賞に応募したんですが、その作品がかろうじて最終候補には入ったのです。そのあと手塚赤塚賞にも応募したのですがかすりもせずこれも駄目だったんです。3本目の最終候補に入った時の担当さんから電話が来て、一緒にがんばらないか?≠ニ言われたのですが、既にテンションが下がり始めていて、すこし休もうということで放置状態でした。そしたらそれっきりになってしまって…。

▼そうなると再起はいつに?
 印刷会社の仲間との生活が楽しくて、いつの間にか、資金貯めどころかズルズル時間だけが経っていったんです。山一證券が破綻したりして、世の中が不景気と叫ばれていた時代でもあって、今の会社も大丈夫かなと将来が不安になってはいました。…そんな時、後輩の女の子が、年賀状のイラストを描いてくれないかって、頼みに来たんです。そのかき上げたイラストを見た時に、〃あ!!このキャラを動かしたい、このキャラのよさを引き出すために物語を作ってみたい!ならばようし、もう1回描いてみようか!〃そう思って再びペンを持ち始めたんです。それが、漫画家を目指す再起の理由ですね。

▼それが当たったわけです?
 半年かけて描き上げたその作品を、背水の陣で東京まで持込みをしました。すでに会社も辞めてしまいましたし、これで駄目ならもう諦めよう最後にしようと、ヤングジャンプ(以下・YJ)編集部に持っていったんです。そしたらあまり好印象ではなかったようですが、一応、月例賞(※今の月例ヤングジャンプMANGAグランプリ賞)に出しますか、という感じでだしたら、準入選したんです。それから、担当がつくことになり、漫画の世界に入る形になりました。

▼それで上京を?
 24歳で上京し、生活はしないといけないのでアルバイトを探していたら、担当さんがアシスタント先を紹介してくれ、高橋幸二先生の下でアシスタントをすることになったのです。

▼そこで力をつけた? 
 当時、高橋先生は、「わっぱ列伝爆造」というトラッカー漫画を描いていたので、それの手伝いとして入りましたが、すこし天狗になって図に乗っていた自分がいましたので、自分が担当した箇所が印刷された紙面を見て、がっかりして、打ち砕かれたというか、プロの世界はやはり違うんだと痛感しました。描き方もそうですが、メンタルな面もたくさんのことを学びました。

▼そしてついに連載へ?
 
YJの別冊で数本読み切りを描いていましたのでそろそろ、連載のネームを描きましょうか?という話をもらい、今のYJでいくなら、料理かスポーツか、刑事ものか、釣りじゃないかなという話が出てきたんです。私はジャンプっ子でしたから、ファンタジーアクション系とかを描きたかったんですけど…料理で言うと寿司とかフレンチとかよくあるじゃないですか、でもカレーってないよなってことになって、ふなつ君どう?と話が来ました。考えた結果、カレーに絞るならありかなと思って、しばらく勉強したあと、読み切りを数本描いて「華麗なる食卓」の連載がスタートしたんです。20話位で終わりでいいよ、みたいな感じだったのですが、よく続いているなあと思います。

▼つらいことはありますか?
 全てつらいですが、しいて言うならばやっぱりネームですかね、頭にあるものをネームにするのがちょっと大変ですね。ストーリーを作るのは若干苦手です。30巻分までいくと、料理に対しての表現、
リアクションがマンネリしてくるのでなにかできないかなあと思いつつ、ジレンマになるんですよね。結局、ウマイ!≠オかないのかなあ?と…食べた時の表現もそうで、前にこの言い回し使ったしどうしようか、食べて気絶する?飛んでいく?宇宙にいく?なんか新たな表現ないかなと、マンネリがいやだとすごい悩んでます。

▼苦労しているところはあります?
 読者に、どうやってイメージを想像させればいいんだろう?って悩みます。これまでに世界のカレーも食べましたが、どう表現したらいいんだろう。例えば辛みのないカレーとかね、カレーっぽくないのをどう説明したらいいんだろう、極端な話、読者にその表現を伝えるのにウソでもいいかなと思うのですが、レシピをつけてるから、ウソを言い過ぎられないし、画面からにおいを出させるとか、においを出せないから想像を掻き立てられるような、カレー食べたくなるって感じ、そういうのを出せたらいいなって思ってます。あとは、毎回毎回、コミックスで見て面白いようにするのも手ですが週刊単位でもヤマを意識することですね。

▼将来的に描きたいものは?
 具体的なものはまだないですが、まったく違うものを描きたいですね。女の子が出てこないとか、笑えないくらい暗い漫画とか、血がドバドバとか料理とは別物ですね。

▼漫画家を目指す人にメッセージをお願いします。
 とにかく色々なことを経験してみた方がいいですよ。漫画に限らず実生活でも。あらゆることがネタになると思います。普通の人が嫌がるような経験でも漫画家にとっては「おいしい」ですから!(笑)

▼次の先生を紹介してください。
 独創的雰囲気と迫力ある描写で魅せる熱い男。同じYJ誌上で「嘘食い」を連載されている迫稔雄先生を紹介いたします。

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