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『「赤毛のアン」の秘密』 小倉千加子著

 1908年にカナダで出版され、村岡花子が52年に初邦訳を手がけた物語は、多くの少女に愛されてきた。

 本書は女性の生き方に焦点をあて、作者モンゴメリの人生をたどって作品の背景に隠された心理とうそを考察し、戦後日本の少女たちが抱いた結婚や仕事をめぐる理想と現実に迫っていく。新しいアンの姿がほろ苦く浮かびあがり、考えさせられる。(岩波現代文庫、1100円)

 評・川口晴美(詩人)


2014年07月03日 08時03分 Copyright © The Yomiuri Shimbun
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