三養基郡基山町がJR九州から委託を受け、人員を配置することになったけやき台駅=けやき台

 JR九州は10日、12日のダイヤ改正に合わせて無人化する予定だった佐賀県内の6駅のうち、鹿児島線けやき台駅(三養基郡基山町)は自治体への簡易委託駅として人員が配置される見込みと正式に発表した。一方、これまで簡易委託駅だった唐津線相知駅(唐津市)は民間業者との協議がまとまらず、2022年度から無人駅になる。

 JR九州は21年12月、けやき台駅、長崎線鍋島駅(佐賀市)、牛津駅(小城市)、多良駅(藤津郡太良町)、筑肥線東唐津駅(唐津市)、唐津線西唐津駅(同)の6駅を無人化する方針を示していた。

 けやき台駅は、基山町がJR九州から管理を受託する方針を示していた。筑肥線浜崎駅(唐津市)も秋の大型観光キャンペーンを見据えて、唐津市が観光案内所を設置する方針。県内では4月1日からこの2駅を新たに簡易委託駅とする駅業務委託契約が締結される見込みという。

 相知駅は1999年4月から簡易委託駅になった。隣接する市の公共施設「あじさい館」を管理する民間業者が21年度まで切符販売などの簡易委託を受けている。業者は施設の指定管理の契約終了に伴って受託を断念し「切符販売の収益と委託費だけでは事業として厳しい」と話す。

 4月以降は県内59駅のうち40駅が無人になり、無人化率は68%になる。

 佐賀市、小城市、太良町の各担当者は利便性の低下を懸念する一方、3市町のいずれも現時点では簡易委託駅化への協議は実施していないとした。牛津駅は待合室やトイレなどがある施設は小城市の所有で、現在も清掃などの管理業務を続けており、市は「JRがこれまで担ってきた業務を請け負うかどうかは簡単に判断できない。利用者や地域の要望を聞き、どのような対応が必要なのか検討していきたい」と話す。

 新たに無人駅になる駅については、ダイヤ改正以降も3月中はJR九州グループ社員が在駐し、周知を兼ねて案内業務を担うとしている。(取材班)

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