(4)入場者数 四国・九州アイランドリーグ側とのずれ
今季、高知ファイティングドッグスが主催した四十試合の総観客数は一万三千四百八十四人。六球団最少の一試合平均三百三十七人だった。だが、この数字には新経営陣の意思が見え隠れしている。
それはカウント方法だ。高知ファイティングドッグス以外の五球団は「観客動員数」ではじいているという。つまり、数字は選手、スタッフ、ボランティアら球場に足を運んだ全人数を表している。しかし、高知ファイティングドッグスは今季、観客席に座った人数だけを数えた。
一試合平均千人を超す香川オリーブガイナーズ、愛媛マンダリンパイレーツならいざ知らず、平均観客数で四年連続最下位。“メンツ”で七十―百人分を上乗せできる観客動員数で発表する手もあっただろう。
だが、新経営陣は実数発表にこだわった。「球界の素人だからかもしれないが、そこが一番大事なところでしょう」と武政重和社長。北古味鈴太郎オーナーも「入場料は大きな収入源。その部分の数字は確実なものにしたかった」。二人とも即答だった。高知ファイティングドッグスの実態を県民に知ってもらう上で、偽れない部分なのだろう。
高知ファイティングドッグスの昨年の平均観客数はリーグ発表で五百六十三人だった。この数字を経営者公募の交渉の際に見た武政社長は、今季も五百人は入ると見積もったという。ふたを開けてみれば平均三百人余り。「努力不足もあるかもしれませんが、かなりのずれがありますよね」と武政社長。
四国・九州アイランドリーグ側との“ずれ”は、ほかにもあった。今季、四国・九州アイランドリーグは審判部を創設したが、この費用は各球団の負担とされた。高知ファイティングドッグスも当初予定になかった約四百万円を出した。赤字削減に努力する経営陣にとって、「聞いてないよ」となる話だった。
今季、リーグの平均入場者数は昨季より大きく下回った。高知ファイティングドッグスも減らしたが、当日券売り上げは昨年より五万円少ないだけの五百十万円。年間パスの売り上げを合わせば、入場料収入は大幅に増やしている。
高知ファイティングドッグスは来季、五百人の入場者を目標に掲げている。一試合平均八百人まで引き上げられれば、採算が取れるという。魅力あるチームにするには金もかかる。さて、限られた資金を経営陣はどう使うつもりなのか。
【写真】今季唯一の無料試合に842人のファンが詰めかけた(8月31日、高知市五台山の東部球場)
(2008年11月09日付朝刊)
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