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「世襲」首相が4代続く日本

自民党衆議院議員の50%が世襲

 「自民党は元総理の孫か息子でなければ総理になれないのか」

 日本の最大野党、民主党の菅直人代表代行が今月22日、テレビ番組に出演しこのように述べた。

 このような発言が出てくるのも無理はない。この日、与党・自民党の新総裁に当選した麻生太郎幹事長が24日、衆議院で予定通り首相に選出されれば、4代続いて2世、3世の国会議員が首相になるためだ。地盤を受け継いで国会議員に当選したり、代々閣僚や首相まで務めたりするケースが多い日本だが、首相が4代続けて2世、3世となったことで、「これはひどい」という指摘が出ている。

 特に新首相への就任が確実な麻生氏は、政界でも指折りの名門一家の出だ。母方の祖父は戦後2回にわたって首相を務め、政界の混乱を収拾し経済復興の土台を築いた吉田茂であり、義父も鈴木善幸元首相だ。その上、実家は石炭、セメント、鉄道、電力、金融などの事業を手掛けていた地方財閥で、父親も衆議院議員を務めた。

 退任する福田康夫首相は、親子続けて首相を務めた。父親は1976年から78年まで首相を務めた福田赳夫氏だ。また、福田首相の息子も政界入りを目指している。

 安倍晋三前首相は3代続く大物政治家だ。母方の祖父は第2次大戦後A級戦犯として逮捕されながらも、不起訴となりその後首相を務めた岸信介であり、父方の祖父も衆議院議員を務めた。また、父親の安倍晋太郎は1980年代半ばに外務大臣や自民党幹事長を務めた。

 小泉純一郎元首相もまた、父親は防衛庁長官、祖父は逓信大臣を務めた名門一家の出だ。だがそれでも、麻生、安倍、福田の各氏に比べれば「名門」とはいえないほどだ。

 麻生氏を含め、1990年以降に首相を務めた12人のうち8人が、国会議員を一人以上出した家の出だ。純粋な「一般市民」で首相になったのは、写真館の息子だった海部俊樹氏と、漁師の息子だった村山富市氏の二人だけだ。

 現在、自民党の衆議院議員の中で、世襲の議員は30%程度に上ると推定される。母方が国会議員を出した家の出であるケースを含めれば、50%を超えるともいわれる。

 このような状況にあるため、最大野党の民主党は総選挙を前に、「政治家の世襲制限案」を打ち出した。利益集団と化し、地盤の世襲が容易になる要因とされる選挙区の後援会を、現職議員の親族が引き継げないようにするという内容だ。総選挙での公約に掲げるという意向を表明したこともある。だが、同党はこの案を撤回した。同党にも世襲の議員が27%もいるためだ。小沢一郎代表は2世議員であり、また鳩山由紀夫幹事長は祖父が首相を、父親が外相を務めた3世議員だ。

東京=辛貞録(シン・ジョンロク)特派員

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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