KKベストセラーズ『歴史人 2020年9月号/No.117』のレビュー。
保存版特集は「刀剣大全」。
“見るべき名刀”123振が紹介されている。
とじ込み両観音開き(本紙を6冊横に並べたサイズ)には、国宝「三日月宗近」の原寸大グラビアが!
刀剣について俺は全くの素人で、せいぜいゲーム『信長の野望』に出てくる“家宝”や、歴史小説で見聞きする程度の知識しか持っていない。
例えば、坂本龍馬が土佐を国抜け(脱藩)するときに携えたとされる「陸奥守吉行」について司馬遼太郎著『竜馬がゆく』では、「刀身は青く澄み、陸奥守吉行特有の丁字乱れの刃文が、豪壮に匂ってくる。二尺三寸(略)目釘をはずし、中茎をしらべた。」と述べられている。
「青く澄んだ」「丁字(ちょうじ)の乱れ」「刃文」「匂う」「二尺三寸」「目釘」「中茎(なかご)」といった、刀剣を表現する豊かな言葉に感心はするけれど、正直言って素人にはイメージしにくい。
本書には「日本刀基本の“き”」という刀剣用語等の解説コーナーはもちろん、「陸奥守吉行」の写真も載っている。長さは71.1cm。刀身は、確かに青みがかって見える。
ただし、「匂う」が分かるには、様々な刀剣の実物を見る必要がありそうだ(^-^;
「天下五剣」をはじめ、名刀をめぐる物語がおもしろい。
重文「鬼切丸(別名髭切)」の伝説は有名だ。「薄緑(膝丸)」とともに歌舞伎にも出てくる。
国宝「真光(さねみつ)」は、織田信長から酒井忠次に贈られた。忠次は真光をひっさげて小牧長久手の戦いで羽柴軍を破ったのだろうか。
御物「鬼丸国綱」は、その所有者・・・北条氏、新田氏、足利氏を滅亡へ導いたとされ、名刀といえども秀吉や家康は手元に置かなかった。
「雷切(らいきり)」は、立花道雪が雷神を切り捨てたという、すさまじい由来を持つ。
また、“天下の三名槍”として、本田忠勝の「蜻蛉切」、豊臣秀吉→福島正則→母里太兵衛の「日本号」、結城晴朝の「御手杵(おてぎね)」(大戦の空襲で焼失)も紹介されている。
国宝から無銘までをオールカラーで、その由来、製法・役割の変遷、刀工・流派、日本刀Q&A、掲載刀剣の所蔵先がわかる全国刀剣鑑賞ガイドなど、歴史好きが欲する日本刀の情報は、これ1冊で事足りるのではないだろうか。
定価900円(普段よりちょっとお高いけど)とは思えない充実ぶりだと思う。
博物館で刀剣を前にしたら、「刃長二尺四寸の腰反りの太刀か。茎は雉子股型、鍛えは板目肌。刃文は逆丁子。ふむ、沸(にえ)が見える。無銘だが名刀といってよいだろう。拵(こしらえ)は梨子地の・・・」とつぶやいてみよう。。。。
いや、止めておこう。“付け焼刃”の知識だとすぐバレそうだ<(_ _)>
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歴史人 2020年 09 月号 雑誌 – 2020/8/6
刀剣大全 【歴史上の権力者がこぞって集めた見るべき名刀123振】 名将に名刀あり! 古くは鎌倉執権北条家から室町幕府の足利将軍家、天下統一目前まで迫った織田信長と豊臣秀吉、天下泰平の世250年の礎を築いた徳川家康から続く徳川将軍家など、錚々たる名将たちが刀に魅せられて、蒐集していたのをご存知だろうか。 江戸幕府8代将軍吉宗は、享保名物帳と呼ばれる、刀剣台帳の作成の指示を出すほどだ。彼らにとっての刀剣とはなんだったのか。 単なる武器としてだけではなく美術品としても価値のある日本刀の魅力を一挙大公開する!
- 本の長さ146ページ
- 言語日本語
- 出版社ベストセラーズ
- 発売日2020/8/6
- 寸法28.4 x 21.1 x 0.5 cm
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登録情報
- ASIN : B08DGRWN98
- 出版社 : ベストセラーズ (2020/8/6)
- 発売日 : 2020/8/6
- 言語 : 日本語
- 雑誌 : 146ページ
- 寸法 : 28.4 x 21.1 x 0.5 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 259位地理・歴史・考古学の雑誌
- カスタマーレビュー:
カスタマーレビュー
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2020年10月18日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
歴史人は企画が面白いので買ってしまう。
しかし毎回残念に思うのは記載ミスが多いこと。
ある程度知識があるので間違えに気づくのだが、知らない人が読んだら間違った情報を信じてしまうのではないかな。
校正がしっかりできていないのが、いつも残念に思うのです。
しかし毎回残念に思うのは記載ミスが多いこと。
ある程度知識があるので間違えに気づくのだが、知らない人が読んだら間違った情報を信じてしまうのではないかな。
校正がしっかりできていないのが、いつも残念に思うのです。
2020年12月28日に日本でレビュー済み
世の中の刀剣本の多くは、最初から前提知識が必要だったり構成が散漫だったりで、初心者が体系的に知識を得るのにハードルが高いものが多いが、本誌は構成が上手くできていて情報がまとめられていて初心者必見と感じた。
2020年9月3日に日本でレビュー済み
最近の刀剣を扱う雑誌はまあまあ間違いも減ってきたけど、この本は酷い。特に小龍景光が小龍側ではない側の掲載で、かつ画像が反転している(銘の漢字が裏返っている)のはなんだ。校正の時画像を確認してない証拠だろう。東博もこれは抗議をするべき致命的な間違いだ。あと、号と銘と刀工名がごちゃごちゃなのは、編集者も執筆者も刀剣のことを分かっていない証拠。今時こんな内容の雑誌を出すとは…。出版社の良識を疑う。
2022年9月4日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
たまたま見かけた、刀剣好きの子どもたちにねだられ購入。本自体、きれいで、子どもたちも喜んで食い入るように、見ていました。大事に扱っているので買って良かったです❗