第40回 ドラマアカデミー賞
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最優秀作品賞

「白い巨塔」
フジ系
秀作めじろ押しの激戦を2クールの“巨塔”が制す
視聴率もさることながら内容も素晴らしかった「白い巨塔」。いや〜、テレビって本気を出したらスゴイ!って思いましたね。
いろんなドラマのパターンが出し尽くされた昨今。原作のあるものをドラマにすることはよくあることですが、本のテイストをつぶさず、かつ時代にも合わせ、高い演技力と演出で挑めるドラマはなかなかありません。それを見事に表現してくれた「巨塔」は、“ドラマ冬の時代”の雪解けを作ってくれたハズ。和田行プロデューサーも「今回のドラマは企画が主人公。キャストは二の次」と語るぐらい、企画・原作ありきのものでした。キャストもそれを理解した上で、役に挑んでいたので、現場では全員が一丸となって作品を作っていました。第二部で財前(唐沢寿明)が帰国したシーンで、又一(西田敏行)がドギツイ毛皮で登場したのですが、実はあれはスタッフがどうしても西田さんに着せたいと用意したものなんです。西田さんもそれに応えるように「じゃあ、なんとか着こなしてみるか」といつもより、メイクを濃くしたり、ズラをわかりやすくして、うさんくささを演出していました。
キャスト、スタッフのひとりひとりが本気で挑んだ「白い巨塔」。3日間撮影が続いたこともありました。唐沢寿明さんは「本当にこんなにハードな現場はなかった。でも、手ごたえがこんなにある現場もなかった。でも、疲れたよ(笑)」と満足げでした。
出演
原作=山崎豊子/脚本=井上由美子/演出=西谷弘、河野圭太、村上正典、岩田和行/主題歌=「アメイジング・グレイス」ヘイリー/出演=唐沢寿明、江口洋介、黒木瞳、矢田亜希子、水野真紀、伊武雅刀、片岡孝太郎、佐々木蔵之介、岩村麻由美、西田尚美、及川光博、高畑淳子、上川隆也、沢村一樹、品川徹、かたせ梨乃、伊藤英明、石坂浩二、西田敏行ほか

解説
一流の大学病院で上り詰めることに没頭する、天才的な外科医・財前(唐沢)と、医師としての信念を貫こうとする理想主義の里見(江口)。対照的な2人の対立と友情を軸に、教授選での醜い争いや、院内の不条理な常識・おごりが引き起こす医療過誤問題など、“白い巨塔”での普遍的な人間ドラマを重厚に骨太に描き、社会へも問題提起した。伝説となりうる名作に。

主演男優賞

中居 正広
「砂の器」TBS系
読者の熱い熱い支持で中居が3度目の主演V!
殺人犯の息子という宿命を背負った和賀役で、同部門3度目。セリフ以上に表情で苦悩を語り、画面に引きつける存在感が。殺人の際の美しく鬼のような表情や、刑事が訪れたときの険しさ、「父ちゃん!」と叫び、本浦秀夫に戻った瞬間など、重要な場面ほど、内なるパワーを爆発させ息をのませた。

今回のドラマは本当に妥協がなく、緊迫したところで最後までやりきったという中居さん。だからこそ「これでしばらく(ドラマを)お休みしようかな」と言ってましたが、なんと本誌に、あるドラマの構想を語ってくれたのです!
それはズバリ『ヒロシの物語』

「『ひろしー起きなさい!』『もう、なんで起こしてくれなかったんだよ…ブツブツ…じゃあ、行ってくるから!』こうしてヒロシは初出勤したのです、チャンチャン」

「……なんて、そんなドラマ、もうできねえっつうの!」(by中居)

中居さんいわく「『砂の器』をやっちゃったら、そんなテイストのドラマはもうできないよね。やるなら今回を超えるものにしなくちゃいけないし、そんなドラマになかなか巡りあうことないからね」
『白い影』から3年で『砂の器』へ。次なる作品はいつになるのでしょうか…
主演女優賞

上戸 彩
「エースをねらえ!」テレビ朝日系
三つどもえの戦いを制し上戸が初の栄冠に輝く
テニスの才能を見いだされ開花させる岡ひろみ役。根性娘のひたむきさや、試合場面での集中した目の色など、体当たりの芝居で初の栄冠に。大いに悩み喜ぶ等身大のヒロインで、上戸の明るくキュートな魅力を発揮した。濃いキャラが多い中、フラットな芝居で存在感を見せたのも大物のあかし!

主演女優賞に輝いた上戸彩ちゃん。文字通り全力投球の岡ひろみ役で“初トロフィー”という事もあり実に感慨深かったようです。
彩ちゃんにとって「エースをねらえ!」は、いろんな意味で今までの出演作とは違ったそう。「本物の学校みたいで楽しい現場だったし、キャストとスタッフの方々の一体感も彩の今までのドラマの中でイチバンでした! 短いシーンにもすっごい時間をかけて撮ってて…。スタッフの方々を『カッコイイ!』って思いましたね。 困った事と言えば、テニスの特訓が厳しくて足がムキッと筋肉質になっちゃった事。イヤだったなぁ(笑) でも、ドラマが終わったらアッという間に筋肉が落ちちゃって。その時初めて『さみしいな』って思ったんです。やっぱり筋肉ある方がいいですね! 健康的だし…」
ドラマは宗方コーチの死という原作でも人気のシーンで幕となりましたが、是非、ひろみが苦悩の末にテニスプレーヤーとして成長するという続きの物語も上戸さん主演でドラマ化して欲しいですね!

助演男優勝

渡辺 謙
「砂の器」TBS系
他の追随を許さず渡辺が貫禄の初受賞
粘り強いベテラン刑事・今西役。獲物を追う気迫を“動”の芝居で、和賀の人生をたどり「宿命」の理解者となる慈愛を“静”で表現し、今西の人間的深みまで伝え、迫力の眼力で作品を引き締めた。ズバ抜けた存在感は、大部分が声のみだった捜査報告シーンにも発揮され、あの最終2話も成立させた。

本誌でも語っていたように、今回のドラマではホントに移動の連続だった謙さん。
「いちばん印象に残ってるシーンは、“亀嵩”に行ったときかな。シーン的にもそうだったけど、個人的にもね。ロサンゼルスから戻って成田、羽田、そして島根まで移動したからね…ホント、振り返りたくないね(笑)」と今では笑い話されてましたが、やってる当時はホント過酷だったようです。ちなみに謙さんのロケは亀嵩以外にも、北は青森から南は山口に及び、まさに本州を縦断して行なわれたのでした。これにちょうど、本家・アカデミー賞が重なって、合い間にアメリカへ行ったりと…本当にお疲れさまでした!
助演女優勝

美山 加恋
「僕と彼女と彼女の生きる道」フジ系
3層で支持を集め美山が同部門最年少V
子役と呼ぶのがはばかられる天才女優が出現! 両親の離婚を機に、父(草なぎ)との絆を深める凛役で、同部門最年少受賞。父との距離感の変化をはじめ、状況に応じた表情やしぐさ、声のトーンなど、表現の的確さは驚異的。たったひと言で喜怒哀楽まで伝えた「はい!」は社会現象になった。
今回なんと、「助演女優賞」と「新人俳優賞」の2冠に輝いてしまった加恋ちゃん! 番組を制作した関西テレビで取材を受けてもらいました。
草なぎ剛くんに買ってもらったという黒のワンピース姿で登場した加恋ちゃんは、収録中と同じように元気いっぱい。社内をパタパタと走りまわると、重松圭一Pのみならず、関西テレビの社員のみなさんも口々に「凛ちゃんだよ!」「おめでとう」とニコニコ、ほおがゆるみっぱなし。一気に場を明るくしてしまいます。インタビューでは、「これからもいろんな役をやりたいです」っていう前向きなコメントのほかに、「いつもイルカのお人形といっしょだった」「お父さん(草なぎ)とかみんなで、フラフープばっかりやってました」とか、収録中の裏話もたくさん聞かせてくれた加恋ちゃん。「元気だったよね〜」と振ると「私、騒がしかったかも」とニッコリ。う〜ん、やっぱりカワイイっす。ちなみに話題になった「ハイッ!」の超ハッキリお返事ですが、ふだん家では「そんないい返事してない!」そうで(笑)。
新人俳優賞

美山 加恋
「僕と彼女と彼女の生きる道」フジ系
無敵の美山が史上初の助演&新人で2冠達成!
父(草なぎ)に遠慮する硬い表情のせつなさ。雪合戦で見せた笑顔、泥酔し二日酔いの父にお怒りのやさぐれふう?、ベッドで抱き寄せる父をふっと見上げたときのドキッとするほど大人びた顔・・・胸に残る姿は数え切れず、愛らしさで日本中を魅了。
ベストドレッサー賞

米倉 涼子
「奥さまは魔女」TBS系
魔女ファッションを着こなし米倉が受賞!
魔女というありさ(米倉)の設定に合わせ、ファッションも少しズレたキュートさで、ポップにカラフルにコーディネート。難易度の高い幅広いスタイルを着こなし、魔女っぽさを衣裳でもしっかりと表現した。

実に今回で、3回目の受賞となる米倉さん。このドラマでも、毎回ほんとにいろんな衣装を私たちにみせてくれました。
特に今回のドラマは役による制約が少なかったので、これまでのドラマ以上にレパートリーも多く、米倉さんもホントに楽しかったし、今回の賞を心からうれしいと思ってくれたそうです。ただ、いつもやっていて今回できなかったことも。それは、買い取り。毎回、気に入った衣装があればご自身で買い取りされることも多いという米倉さんですが、今回はほとんどなかったとか。「さすがに普段、あの衣装着てたら派手ですしね〜(笑)。劇中でやりたいこと全部やっちゃったって感じで、プライベートで着たい!って欲求もなくなったくらいなので…。買ったのはパンツ1本かな」(米倉さん)

主題歌賞
「やさしいキスをして」 DREAMS COME TRUE
「砂の器」TBS系
強敵たちを振り切り
ドリカムが3度目の栄冠
脚本賞
橋部 敦子
「僕と彼女と彼女の生きる道」フジ系
胸に迫るセリフ満載!
橋部が一騎打ちを制す
監督省
西谷弘/河野圭太/村上正典/岩田和行
「白い巨塔」フジ系
テンポ感と重厚さで
“巨塔”が栄冠に輝く
劇中音楽賞
千住 明
「砂の器」TBS系
人生を語るような楽曲の
「砂の器」が他を圧倒!
キャスティング賞
「白い巨塔」
フジ系
どのシーンも“芝居場”
“巨塔”が文句なしのV
タイトルバック賞
中江 功
「プライド」フジ系
編集もすばらしかった
「プライド」に栄冠!
ザテレビジョン特別賞  
「プライド」(フジ系)アイスホッケー
  「プライド」アイスマンの
妥協せぬ姿勢と成果に



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