|
|
|
秀作めじろ押しの激戦を2クールの“巨塔”が制す |
|
|
|
|
|
|
視聴率もさることながら内容も素晴らしかった「白い巨塔」。いや〜、テレビって本気を出したらスゴイ!って思いましたね。
いろんなドラマのパターンが出し尽くされた昨今。原作のあるものをドラマにすることはよくあることですが、本のテイストをつぶさず、かつ時代にも合わせ、高い演技力と演出で挑めるドラマはなかなかありません。それを見事に表現してくれた「巨塔」は、“ドラマ冬の時代”の雪解けを作ってくれたハズ。和田行プロデューサーも「今回のドラマは企画が主人公。キャストは二の次」と語るぐらい、企画・原作ありきのものでした。キャストもそれを理解した上で、役に挑んでいたので、現場では全員が一丸となって作品を作っていました。第二部で財前(唐沢寿明)が帰国したシーンで、又一(西田敏行)がドギツイ毛皮で登場したのですが、実はあれはスタッフがどうしても西田さんに着せたいと用意したものなんです。西田さんもそれに応えるように「じゃあ、なんとか着こなしてみるか」といつもより、メイクを濃くしたり、ズラをわかりやすくして、うさんくささを演出していました。
キャスト、スタッフのひとりひとりが本気で挑んだ「白い巨塔」。3日間撮影が続いたこともありました。唐沢寿明さんは「本当にこんなにハードな現場はなかった。でも、手ごたえがこんなにある現場もなかった。でも、疲れたよ(笑)」と満足げでした。 |
|
|
|
|
|
|
|
原作=山崎豊子/脚本=井上由美子/演出=西谷弘、河野圭太、村上正典、岩田和行/主題歌=「アメイジング・グレイス」ヘイリー/出演=唐沢寿明、江口洋介、黒木瞳、矢田亜希子、水野真紀、伊武雅刀、片岡孝太郎、佐々木蔵之介、岩村麻由美、西田尚美、及川光博、高畑淳子、上川隆也、沢村一樹、品川徹、かたせ梨乃、伊藤英明、石坂浩二、西田敏行ほか
一流の大学病院で上り詰めることに没頭する、天才的な外科医・財前(唐沢)と、医師としての信念を貫こうとする理想主義の里見(江口)。対照的な2人の対立と友情を軸に、教授選での醜い争いや、院内の不条理な常識・おごりが引き起こす医療過誤問題など、“白い巨塔”での普遍的な人間ドラマを重厚に骨太に描き、社会へも問題提起した。伝説となりうる名作に。 |
|