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諫干開門関連に48億4千万円 政府予算案、県関係分 | ||
24日に閣議決定された2012年度政府予算案で、佐賀県関係分では、国営諫早湾干拓潮受け堤防排水門の開門調査関連に48億4千万円を計上した。「制限開門」を前提とした事前対策費のほか、実質的な開門調査費用を盛り込んだ。九州新幹線長崎ルート関連では、フリーゲージトレイン(FGT)の開発費に61億8700万円を計上。整備新幹線全体では3095億円で、長崎ルート武雄温泉-諫早間の配分額は来週にも国交省が決定する。
諫干開門調査関連予算の内訳は、開門に向けた事前対策費に40億円、開門前後の環境変化を把握する事前調査費に8億4千万円。事前対策費は、環境影響評価(アセスメント)で約82億円と試算した制限開門を前提に、12年度では約半額を計上。代替農業用水とする地下水の深井戸掘削や背後地農地の排水対策ポンプ設置などを行う。
事前調査は、開門の前後に潮流などがどう変化したかを調べるもので、実質的な開門調査ともいえるもの。調査項目は潮汐や潮流、水質などアセスの内容とほぼ同じで、実際の開門前後の海況変化を比較するデータを取る。
ただ、開門調査については、長崎県側が反対姿勢を強めており、予算案が成立しても執行できるかは不透明な情勢になっている。
有明海関連ではこのほか、再生関連事業として前年度と同じ7億円を計上。魚貝類の生息環境調査やタイラギやアサリの増養殖技術の開発研究などを行う。
整備新幹線は事業費ベースで前年度比5%増の3095億円(国費は前年度同額の706億円)。既に着工している武雄温泉-諫早間など3区間の整備を進める。事業費のうち90億円は、諫早-長崎間など未着工3区間が事業認可された場合に備え、建設費に充てられるように確保した。未着工区間については、26日に国交省の政務三役会合を開き、建設財源の確保や投資効果などの着工条件を満たすことを前提として新規建設の方針を決める考え。
FGT開発は、車体の軽量化や台車の改良を図った3代目となる試験車両を設計、製作し、実用化に向けた開発促進を図る。併せて、既に実施している現在の台車での耐久性試験も継続する。
農業関係では、国営農地総合防災事業として筑後川下流右岸地区が新規採択された。神埼市や、神埼郡吉野ケ里町など3市3町を対象にクリークののり面防災工事を行うもので、事業個所や配分額は本年度末に決定する。
ダム関係では、事業の再検証対象になっている城原川ダムが、水位や水量調査の継続費として前年度同額の9600万円を計上した。 |
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2011年12月25日更新 |