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民主ちぐはぐ対応 給付金対決演出に効果も (1/2ページ)
このニュースのトピックス:自民党
民主党は定額給付金が盛り込まれた平成20年度第2次補正予算案について、26日の参院での採決を容認しながら、両院協議会では強硬姿勢に転じ成立を27日まで引き延ばした。そのちぐはぐな国会対応に党内外から不満が出ているが、給付金問題を再び世論に印象づける一定の効果はあった。同党はこれを前哨戦とし、主戦場の平成21年度予算案の審議で政府・与党に攻勢を強める方針だが、麻生政権をどう追い込むのか、青写真は描けていない。
両院協議長として引き延ばしに成功した民主党の北沢俊美参院議員は27日午前の党常任幹事会で、26日にクジ引きで議長の座を引き当てた「とき」をこう振り返った。
「人生最高の瞬間でした」
しかし常任幹事会のメンバーの心中は複雑だった。その一人は「おかげでみんな大変な思いをしているんだよ」とつぶやいた。
国会論戦で麻生政権を追い込みたいが、むやみに2次補正の成立を遅らせれば、与党に平成21年度予算案との「並行審議」を強行され、世論の反発が予想される審議拒否で抵抗せざるをえなくなる−。2つの思いが交錯し、民主党の対応は揺れた。
混乱の発端は15日の自民、民主両党の参院国対委員長会談にさかのぼる。2次補正の23日の参院採決で大筋合意したことに、民主党の菅直人代表代行ら執行部が激怒した。党内では早期採決を容認する空気が強かったが、これで流れが微妙に変わり、党幹部会は23日、26日の採決に応じる方針を決めたのだ。
その幹部会で、衆院予算委員会筆頭理事を兼ねる菅氏は「予算案の年度内成立を阻止するために、両院協議会を1週間ぐらい延ばせばいい」との強硬論を展開し始めた。「菅氏は代表代行の立場を離れ、完全に予算委員会モードになって闘争本能に火がついた」(同委理事)というわけだ。