TNGA

トヨタでは、「もっといいクルマづくり」を実現するため、全社を挙げたグローバルなクルマづくりの構造改革に取り組んでいます。これがクルマを骨格から変えて、基本性能と商品力を大幅に向上させる「Toyota New Global Architecture(TNGA)」です。

TNGAはクルマの設計思想であるArchitectureから変えていく取り組みで、パワートレーンユニット(エンジン、トランスミッション、HEVユニット)とプラットフォーム(車台)を刷新し、一体的に新開発することで、「走る、曲がる、止まる」というクルマの基本性能を飛躍的に向上させ、いつまでも「愛車」と言っていただける商品力に高めることをめざします。

TNGAは、基本性能・商品力を向上させた「素のいいクルマ」を基本に、全体最適を考えた「賢い共用化」を織り込み、サプライヤーや生産現場と連携した「賢いものづくり」を推進します。この取り組みにより、開発リソーセスを削減し、さらなる品質・商品力向上に原資を再投資することで、「もっといいクルマ」をよりタイムリーにお届けする好循環を加速させます。

TNGAの一貫したサイクル

個性あるクルマに仕立てていくことを狙った製品軸カンパニー制

TNGAは、クルマのベースとなる基本骨格を刷新し、お客様が一目見て「このクルマが欲しい」と思っていただけるデザインや、一度乗ったら「ずっと乗っていたい」と思っていただける走り・乗り心地など、クルマの基本性能を飛躍的に高めます。そのうえで、全体最適を考えて、賢い共用化を図り、効率化や原価低減につなげていきます。これにより「愛車」をつくるうえでのポテンシャルが大幅に向上します。このTNGAを土台に地域の市場ニーズやお客様の嗜好に合わせ、各カンパニーが個性と魅力ある「愛車」に仕上げていきます。

もっといいクルマづくりの考え方と体制

パワートレーンにおける取り組み

クルマの中核となるパワートレーンでは低重心化とともに、優れた走行性能と高い環境性能を両立させた新型の開発に取り組んでいます。

パワートレーン開発の考え方として、商品性向上と同時に生産効率と開発効率の向上もめざします。商品性の面では、高い環境性能はもちろんのこと、走行性能において、お客様の感性に訴える「ダイレクト&スムース」をテーマに、重点的に開発に取り組みました。

生産効率においても、加工や組み付け作業の基準とともに、工程や設備の仕様を統一することにより、お客様のニーズにフレキシブルかつ迅速に対応できる体制をグローバルに整えつつあります。

これまでの活動と成果

2015年の4台目「プリウス」を皮切りに、中型の「カローラ」や、大型の「クラウン」、「レクサスLS」、コンパクトの「ヤリス」と順次車種を拡大し、2022年3月現在でトータル41モデルを発表しました。グローバル販売台数の約7割が新型に切り替わっています。これらのクルマはTNGA部品を共用しながら、一目で分かるデザインや乗り心地など、お客様それぞれの好みに合った個性の全く異なるクルマとなり、まさに「愛車」としてご愛顧いただいています。

TNGA/カンパニー制の主な車種展開