アフガン司令官:文民批判、オバマ政権に痛手 処分焦点に

2010年6月23日 11時29分

 【ワシントン古本陽荘】アフガニスタン駐留米軍のマクリスタル司令官と側近が、米誌の取材に対しオバマ政権の文民高官らを批判した問題で、オバマ米大統領は23日、マクリスタル氏から事情を聴取したうえで、進退問題の判断を下す。更迭すればアフガン戦争の混迷ぶりを象徴するものとなる一方、続投を認めれば軍を統制できない大統領との印象を与え、オバマ大統領にとってはいずれも痛手となる厳しい選択を迫られる。

 オバマ大統領は22日、ホワイトハウスで「更迭するのか」との記者の質問に「マクリスタル司令官と彼のチームが、粗末な判断を下したのは記事で明白だ。決定を下す前に彼と直接、話をしたい」と語った。

 これに先立ち、ゲーツ国防長官は声明を発表し、「マクリスタル司令官は重大な過ちを犯した」と批判した。ホワイトハウスのギブス報道官も同日の記者会見で、「予断を与えるようなことは言いたくないがテーブルの上にはすべての選択肢がある」と述べ、更迭の可能性を排除しないとの姿勢を提示。そのうえで、21日夜に大統領に記事を渡した際、「大統領は怒っていた」と明かした。政権内からはマクリスタル氏を擁護する言葉は一切なく、批判一色となっている。

 マクリスタル氏は、昨年5月にゲーツ長官と米軍の増強方針などを巡り対立し更迭されたマキャナン司令官の後任。議会から更迭を求める声が出ており、「マクリスタル氏は辞任の覚悟をしている」との報道もあるが、2代続いての司令官の更迭となれば、アフガン戦争の泥沼化を裏付けるものと受け取られる可能性がある。

 オバマ大統領は昨年12月に3万人の米軍増派を決断。増派は今夏に完了し10万5000人規模となる予定。

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