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2004/12/9 緑は欲しいが 落ち葉はイヤだ!
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(写真1)2004/12/9 緑は欲しいが 落ち葉はイヤだ!全国各地で、街路樹が原因のトラブルが起きています。
昭和40年代、日本では、各地で街路樹が植えられました。都市化が進むことで失われた緑を回復するため、最も手っとり早い方法だったのです。ところが、30〜40年たった今、成長した街路樹から降る大量の落ち葉が、沿道の人々を悩ませるようになりました。植えられた当初は問題なかったのですが、木が成長するにつれ、降ってくる落ち葉の量が増え、個人が対応できる量を越えてしまったのです。大きな並木の沿道に暮らす人々は、毎年1〜2ヶ月の間、毎日数十分に及ぶ落ち葉掃除に追われヘトヘトになっています。
本来、管理すべきなのは街路樹を植えた行政なのですが、町中に植えてしまっているため手が回らないのが現状です。とはいえ、生活に甚大な被害を及ぼさない限り、行政を訴えても勝ち目はないと言われています。
さらに深刻なのが「根」のトラブル。成長した街路樹の根が、下水管を詰まらせてしまうのです。街路樹のメリットを認識し地域全体で支える妙案を紹介します。
・専門家ゲスト:蓑茂壽太郎さん(東京農業大学教授)
相談 《お困りご近所》東京都立川市一番町地区の皆さん
立川市一番町は、東西に走るバス通りに沿って800メートルに渡って、ケヤキ並木が続いています。30年ほど前に立川市によって植えられたこのケヤキ並木は、町のシンボルとして地域の人々に親しまれてきました。ところが、20メートルを超える高さにまで成長した今、大量に落ち葉が発生。秋になるとあたり一面に落ち葉が降り注ぎ、雨樋を詰まらせるなど沿道の住民を悩ませています。根が下水管のつなぎ目から入り込み、詰まらせるというトラブルも頻発しています。地域の人々は「大切な緑」とわかってはいるものの、もはや「我慢の限界」に来ているようです。
妙案 掃除は道連れ 世は情け 解説へ
妙案 助けは人のためならず 解説へ
妙案 木を見て森も見る 解説へ

妙案 その1〔解説〕
掃除は道連れ 世は情け 〜岐阜県岐阜市〜
「沿道以外の住民も一緒に落ち葉掃除をする」

岐阜市の京町地区にある桜並木では、沿道以外の場所に暮らす人々も落ち葉掃除に参加しています。大切なのは、地域の人々が「並木道のメリット」に気づき、「みんなで支えるべき」だと認識すること。そのために、この地域が取り入れたのは「アダプト・プログラム」と呼ばれる岐阜市の制度。住民が、道や公園など、公共空間の「里親」となり「自分のもの」という意識をもって自主管理するという取り組みです。
まずは、当時地域で問題になっていた「ポイステゴミ」の掃除から始め、秋にひとたび「落ち葉掃除」を体験すると、地域の人々がその大変さに気づき「みんなで交代で掃除をしよう」という声が高まりました。今では、沿道以外の家も含む194世帯の人々が、週に一回、交代制で並木道を支えています。

妙案 その2〔解説〕
助けは人のためならず 〜長野県上田市〜
「地域通貨で助け合い」

長野県上田市では地域通貨を利用して、落ち葉対策に成果を上げている人々がいます。地域通貨とは、ある地域限定で使われる「お金」のようなもので、上田市では「まーゆ」と呼ばれ、市内140人の人々が会員となって利用しています。
自分で何が出来るのか、何をしてほしいのか、一目でわかる一覧表があり、面識のない人同士でも頼み事ができます。内容は特技を生かしたものから、誰にでも出来ることまでさまざま。もちろん「雨どいの掃除」や「庭の落ち葉掃除」もOK。「昔で言う『結い』の現代版のようなもの」と代表の安井啓子さん。「地域通貨は人と人とが互いに助け合う関係を作るためのツール」だと言っています。

妙案 その3〔解説〕
木を見て森も見る 〜大分県杵築市〜
「住民自身が緑化計画を提案し実現」

大分県杵築市では自分たちの手で街路樹を植え替えることに実現した人々がいます。長年、杵築市で緑化活動を続けてきた「きつき並木街道百人衆」と呼ばれる人々が、街路樹の植え替えを思い立ったのは4年前のこと。地域の県道に植わっていたアオギリの葉が、しばしば排水口に詰まり冠水を起こすため、苦情が増えていたのです。
そこで、100人の仲間から100万円を越える寄付を募り、県の土木事務所と掛け合いました。一度は否定されましたが広く地域を巻き込みながら「100年かけて杵築の町全体を緑で包む」という計画を立てたことで県の理解を得、ようやく昨年、実現にこぎ着けました。ポイントはただ「苦情」を言うのではなく「前向きな提案」をすること。自分たちで選んだ「モミジバフウ」への愛着はひとしおで、沿道の住民の中には紅葉の「押し葉」を楽しんでいる人もいます。

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