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羽生選手表紙の仙台観光ガイド 転売懸念「配布しないで」ファンら市に要望

「仙台巡り」が出品されているオークションサイト

 仙台市が6月下旬に市内12カ所で無料配布した観光ガイドブック「仙台巡り」について、街頭での配布中止などを求める意見が30件以上、市に寄せられていたことが9日分かった。ガイドの表紙はフィギュアスケート男子で五輪連覇した市出身の羽生結弦選手(24)=ANA、宮城・東北高出=。ファンらが「転売されると選手に迷惑が掛かる」と懸念したとみられる。
 市によると、意見は羽生選手のモニュメントデザイン発表式があった4月20日以降、メールや手紙で寄せられた。内容は街頭での無料配布ではなく、インターネット販売を求めるものが多かった。
 東京都内のファン32人の署名が添えられた要望書もあり、「商業施設で配るなど転売目的の人が簡単に入手できる方法は見直してほしい」との趣旨だった。
 市はガイドを10万部発行。6月29、30の両日、市内の百貨店などで約1万部を配った。残りは14日まで市内のホテルや旅館で宿泊客に贈呈する。
 ガイドは9日時点で、オークションサイト「ヤフオク!」などで700〜3000円程度の値段が付けられて出品されている。
 郡和子市長は9日の定例記者会見で「羽生選手を生んだ仙台を訪れてほしいとの思いで発行した。配らないという選択は想定しにくい」と説明。市観光課の担当者も「税金で製作したガイド。販売はなじまないと考えた」と話す。
 市は15日以降、ガイドの電子版をネット上で公開する。


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2019年07月10日水曜日


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