朴政権批判の映画上映で映画祭幹部を更迭 セウォル号ドキュメンタリー“言論弾圧”批判も

2016.03.01

 2014年の釜山国際映画祭で、旅客船セウォル号事故での朴槿恵政権の対応を批判的に描いたドキュメンタリー作品「ダイビング・ベル」を上映した組織委員会の幹部が、組織委員長を務める釜山市の徐秉洙市長から、事実上の更迭されていたことが明らかになった。強引に辞任を迫るやり方は“言論弾圧”との批判も避けられない。

 釜山国際映画祭は、東京、上海国際映画祭と並ぶアジアを代表する映画祭。1996年、映画を重視する韓国政府の肝いりで始まり、毎年周辺国のトップスターが多数参加する一大イベント。

 更迭されたのは、映画界出身の李庸観・組織委執行委員長。「ダイビング・ベル」は、民間ダイバーの協力を拒否し続ける海上保安庁ら政府の動きと、マスコミの偏向報道を記録した内容。

 14年の映画祭で出品されることになったため、市は李委員長に上映中止を求めた。徐市長も「映画祭発展のために政治的中立を損ねる作品を上映するのは望ましくない」としていた。しかし、李氏らは「映画祭では作品の価値を基準に上映作を選定すべきだ」として応じず上映に踏み切った。

 市はその後、監査で問題が見つかったとして李氏に辞任を要求。映画界は「上映への報復だ」と反発していた。

 李氏の任期は2月26日までだったため、同25日に開かれた組織委総会で映画人らが再任手続きを求めたところ、徐市長が閉会を宣言し、出席者の抗議の声が飛び交う中で総会は終了。李氏は任期切れで執行委員長職を離れた。

 徐市長は18日に組織委員長を辞任すると表明していたが、手続きを先延ばしにしており、辞任時期は不明だ。今回の更迭は、映画関係者からも反発が強まっており、今秋の映画祭開催も不透明になってきた。

 

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