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業界「おいしい名前認めて」 サーモントラウト→ニジマスの指針案見直しへ 

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業界「おいしい名前認めて」 サーモントラウト→ニジマスの指針案見直しへ 

 外食メニューの表示偽装問題を受け、消費者庁がまとめた外食メニュー表示のガイドライン(指針)案で、反発を招いた「サーモントラウト」の表示。「ニジマス」と表示するよう求めていたものだが、反発の大きさに同庁は指針案を見直す方針という。すしネタの「サーモン」は生で食べられるサーモントラウトによって定着した。業界関係者は食品の特性を踏まえたルールを考えてほしいと訴えている。(平沢裕子)

養殖だから生食可

 ニジマスはサーモントラウトの標準和名。指針案ではサーモントラウトをサーモンと表記した場合、「標準和名はニジマスなのにサケと認識され、問題」としている。

 食の安全・安心財団の中村啓一事務局長は「トビウオは標準和名がトビウオだが、九州や日本海側ではアゴと呼ばれるように、市場に流通する名前と標準和名が異なる魚は多い。食材としての名前と標準和名が異なることが必ずしも消費者を偽っていることにはならない」と指摘する。

 サーモントラウトはニジマスを海面養殖(沿岸の海水を使った養殖)で大きくしたもので、ニジマスであることは間違いない。ただ、淡水魚のニジマスはかつては寄生虫の心配から生で食べる習慣は一般的でなく、同様に天然のサケも刺し身で食べる場合は凍らせたルイベにする。すしネタの「サーモンにぎり」は、養殖のサーモントラウトが日本で安定的に供給されるようになったことで定着したメニューともいえる。

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