ピエリ守山「再び廃墟にさせぬ」 再生から1年
滋賀県守山市今浜町の大型商業施設「ピエリ守山」が、リニューアルオープンから17日で丸1年を迎えた。かつてはテナントの相次ぐ撤退で「明るい廃墟」とも呼ばれた施設には今、外資系衣料店や飲食店など約110店が入居し、多くの買い物客でにぎわう。施設の管理運営を担う双日商業開発(東京都港区)の山崎和義総支配人は、今後の飛躍のポイントに「地域密着」を掲げる。
-新生「ピエリ」の1年は。
「リニューアル当初は外資系店舗が話題を集めたが、フットサルコートやアスレチック、バーベキュー施設など順次整備した体験型施設も好評を得ている。ライブ型のイベントには毎回3千人近い来場がある。施設を充実させながら、手づくりのイベントでも集客を図るという、走りながら手応えをつかむ1年だった」
-今後の店舗構成や集客のプランは。
「来年2月27日にはインテリア家具と美容室、3月には地元野菜の産直店のオープンを予定している。この3店はいずれも地元滋賀の企業だ。今年の11、12月にはドラッグストアと全国の食材が買える物販店を誘致したが、お客様の要望が多い業種だった。こうした地域のニーズに耳を傾け、店舗導入を進めていく」
「集客面では、外国人観光客の需要獲得にも力を入れる。来年2、3月には外国人観光客を対象にした観光船が運航され、ピエリ守山港にも寄港する。食品から衣料品、雑貨とあらゆるものが揃うピエリで買い物を楽しんでもらうための態勢づくりを進めたい」
-旧「ピエリ」は5年あまりで休館した。滋賀での商業施設運営に難しさを感じることは。
「まったくない。むしろ、地元のみなさんが『いっしょに地域を盛り上げていこう』と手を挙げてくれる。首都圏や九州ではなかったことだ。非常に大きな可能性を感じている」
「1年を経て、再び廃墟になっていないかと見に来られる方もいる。地元のみなさんの応援も、短期で休館した旧施設の苦い記憶があるからかもしれない。店舗の充実はもちろん、サービス面でも『ピエリに行けば何か楽しいことがある』と感じてもらえる施設として歩んでいきたい」
【 2015年12月20日 10時39分 】