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名古屋紳士、仕事も遊びも上等主義 ナゴヤジェントルマンNG

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文化を生み出し、
伝統・歴史・信頼となる

藤井: 徳川宗春の時代から現在でも、名古屋は芸どころとして栄えています。それを継承してきたのが御園座ですが、長谷川さんは、名古屋においての御園座のポジションはどうお考えですか?
長谷川:伝統芸能っていうのは、いろいろあるのですけど、やっぱり代表的なのは歌舞伎ですね。そういう中で、御園座としては、他の芝居もやっていますが、歌舞伎を通して、この地域の良き文化を担っていき、未来までずっと継承し続けていきたいと考えています。ただ、お客様が来てくれないと、文化っていうのは成り立たないものだし、文化っていうのは上から抑えつけるものではなくて、下から自然に発生して盛り上がるものだと思っているんですよ。そういう盛り上がりをいかに御園座が作っていけるかっていうところが大切ですね。先代からずっとそのモットーを大切にしてきた結果、伝統や歴史、信頼という形になって、今の御園座があると考えています。
 

質素倹約気質は
芸どころ名古屋から!?

藤井:芸どころ名古屋とよく言われる所以は何なのですか?
長谷川:まず芝居を見る目が肥えているというのがひとつです。徳川宗春の時代には、芝居が、上方も江戸もダメだって言われるようになって、全部名古屋に集まってきたんですよ。日本の一番いいものが全部見られたわけです。そうして見る目がどんどん肥えていき、名古屋で芝居する人たちも増えてくる。見る人も厳しいから、やる人のクオリティーも高くなる。相乗効果ですね。名古屋人がケチと言われるのは、芝居の見る目が厳しいと繋がる部分はあると思うんですよ。楽しむのではなくて、元を取ろうと思うんですよね。役者の人もよく言うのは、名古屋の人は、芝居中に反応が薄くて静か、でも、最後には割れんばかりの拍手が湧き出る。ちゃんと真剣に見ていたということが、最後になって分かるんですね。だから手抜きしていたらすぐ見透かされるから怖いと言うんですよ。こういう名古屋の土地柄とあいまって、芸どころと呼ばれるんじゃないでしょうか。逆に地元名古屋の人の方が芸どころという感覚が薄いんじゃないでしょうかね。
藤井:ええ、確かに芸どころと言われてもピンとこないですね。劇場も多いとはちょっと感じませんし。そう考てみると面白いことですね。
 
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