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【群馬】

安中「碓氷峠鉄道文化むら」 待望の新造機関車搬入

碓氷峠鉄道文化むらに運び込まれた新シェルパくん=安中市で

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 安中市の鉄道テーマパーク「碓氷峠鉄道文化むら」に十八日、故障でフル運行できなくなっていたトロッコ列車「シェルパくん」の新造後継機関車が運び込まれた。

 シェルパくんは、旧国鉄が信越線の碓氷峠専用の保線車両として一九七五年に製造したディーゼル機関車TMC500A二車両のうちの一両。碓氷峠の急勾配を上り下りし、EF63形電気機関車(通称ロクサン)とともに下りの暴走を防ぐ「天下無双の車両」と言われた。九七年に同線が廃線になるまで使用され、その後、同文化むらで再生。同線跡を走って、れんが造りの旧丸山変電所を経て、碓氷峠の森公園・峠の湯までの二・六キロを結び、来園者の人気を集めていたが、昨年五月、コンバーターなどが壊れ運行不能となった。修理したものの、勾配のゆるい一部区間のみの運行にとどまっている。

 新造機関車は重量三十二トン。排気量約一万一〇〇〇cc、三四五馬力のディーゼルターボ付きエンジンで、四軸八輪すべてを駆動する「双軸ボギー駆動方式」を採用。外装は、一般公募により選ばれた同市中後閑の大羽賀征正さんのデザインが採用された。

 下り坂への対応では、各種ブレーキのほか滑り止めの砂まき装置や自動列車停止装置も装備し、時速八キロを超えたり機関士が一分間操作をしなかった場合は、自動停止する。

 製造費は約一億一千万円で、同文化むらを運営する碓氷峠鉄道交流記念財団のふるさと創生基金を取り崩し充てられる。今後、車両製造会社が試運転や調整をし、同文化むらは三月からの営業運行を予定している。 (樋口聡)

 

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