昨日の政府4演説に対する代表質問で、LGBT(レズビアン、ゲイ、バイセクシュアル、トランスジェンダー)について安倍総理にお聞きしました。
同じく昨日、夫婦別姓と婚姻禁止期間について最高裁が憲法判断を行う見込みとの報道がされました。日本でも家族を巡る問題についてしっかりと考えなければならない時期にきていると思います。

(*LGBTに関して書いた過去の記事はコチラ からご覧ください)


私は、新たな価値を創造する秘訣は多様性にあると考えています。個人個人がどんなに優秀でも、一つの考えに凝り固まってしまっては、ブレイクスルーはできません。様々な視点を持つ人が集まってこそ新たな価値が生まれるのです。


LGBTの方々は人口の5%を占めるといわれます(20人いれば1人ということです)。これだけの人が伸び伸びとその個性を発揮することができれば、間違いなく日本の社会に新しい変化をもたらしてくれます。渋谷区、世田谷区、横浜市の動きは応援していくべきでしょう。


世界を見ると、同性婚を認めるのは約20か国。フランス、カナダ、ノルウェー、フィンランドやスウェーデンなど、成熟した民主主義国家が並んでいます。今後、我が国としても同性カップルの生活上の困難を取り除いていく必要があります。


ここで考えなくてはいけないのが、「婚姻は、両性の合意のみに基いて成立」すると定めた憲法24条。この条文は同性婚を認めない趣旨なのでしょうか。


私は安倍総理に対し「憲法24条は同性婚を認めるうえで問題となるとお考えでしょうか。なるとお考えの場合は、憲法改正の候補として検討されては如何でしょうか?」と質問しました。


その答弁は、「憲法24条は、婚姻は、両者の合意のみに基づいて成立すると定めており、現行憲法の下では、同性カップルに婚姻の成立を認めることは想定されておりません。同性婚を認めるために憲法改正を検討すべきか否かは、我が国の家庭の在り方の根幹に関わる問題であり、極めて慎重な検討を要するものと考えております。」というもの。


予想していたとはいえ、かなり保守的な答弁です。
今回の代表質問の対象となった施政方針演説では、安倍総理自身が岡倉天心の「変化こそ唯一の永遠である」という言葉を引用し、「変化を恐れてはなりません」と呼びかけていたので、もう少し前向きな答弁をしてほしかったところ。


また、より広く、事実婚という選択肢を積極的に認めてはどうか、とも質問しました。


これに対しても、「我が国においては、法律婚を尊重する意識が国民の間に幅広く浸透しております。事実婚にどのような法的保護を与えるべきかは、このような国民意識を踏まえつつ、それぞれの法律の趣旨や目的等に照らして検討すべきであり、これを一概に論ずるのは相当でないと考えております。」という答弁が返ってきました。


そもそも、どのような家庭を持つかということは最も私的な事柄です。国民の自由を尊重する観点からは、国による介入は最小限にとどめられるべきです。
政府は、人口1億人維持の目標に関して、「子供を何人つくってくださいとか国が申し上げる筋合いのものではございません」(石破大臣)というのであれば、多様な家族のありかたを積極的に認めるべきではないでしょうか(法律婚の最大の効果の一つは婚外子の相続分差別だったように、法律婚と出産は密接な関係があります)。
少なくとも、法律婚以外に選択肢を与えないいまの状況では、かえって出産への無用なハードルを増やしてしまうことにつながりかねません。


私は渋谷区のチャレンジは、広範囲に良い影響を与える試みだと思っています。例えばシリコンバレーのベースシティーとも言えるサンフランシスコは、LGBTの方々が多く集まることによって文化的にも経済的にも発展したといえます。
伝統的な価値観は大切だと思いますが、それに囚われすぎていると、様々な改革にブレーキをかけてしまう恐れがあります。


質問後、他党の議員たちから「驚いた。LGBTの質問を国会本会議でここまで堂々としたのは初めてではないか」と言われました。私はむしろ、その方が驚いてしまいました。
今後も変化を恐れない改革案を積極的に提言していきたいと思います。
日本の素晴らしい文化をしっかりと残しながらも、多様性を良しとする国を目指して頑張ります。

(その他の質問については、また後日アップさせて頂きます)