居眠り?病で意識喪失?市長VS市議会 広島・安芸高田

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東谷晃平
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 昨年7月の参院選を巡る事件で混乱した広島県安芸高田市が再び揺れている。公職選挙法違反の罪に問われた元法相で衆院議員の河井克行被告(57)から現金を受け取ったとして前市長が辞職した後、初当選した石丸伸二市長(38)と議会が対立しているからだ。きっかけは、議場で市議が居眠りをしていたとする市長のツイッターだった。(東谷晃平)

 「うやむやにすれば将来の禍根となるため、徹底した糾弾が必要だと思っています」。石丸氏は今月2日、自身のツイッターにこう書き込んだ。「糾弾」の対象は市議会だ。

 発端は9月議会。石丸氏が議場で答弁に立った際、ある市議がいびきをかいて寝ていたとして「眠たくならないような答弁にしないといけないな」と発言した。ツイッターにも「大舞台でパフォーマンスが示せないのは、プロとしてどうなんだろう」(9月25日)と投稿した。これに対し、指摘された市議は取材に「一過性の脳梗塞(こうそく)で意識を喪失していた。居眠りではない」と反論している。

 石丸氏は、自身のツイートについて市議会全員協議会で説明を求められた後にも「敵に回すなら政策に反対するぞ、と説得?恫喝(どうかつ)?あり」(10月1日)などと投稿した。これを受けて正副議長は全市議に事実関係を聞き取り、「威圧的と感じる発言はなかった」と結論づけた。石丸氏は納得せず、「国語のテストなら0点」(10月31日)などとツイッターで批判。対立は収まる気配がない。

 石丸氏は取材に、投稿について「政策の議論ができない議会を問題提起したい」と意図を説明する。議会との対立については「政治の立て直しをするんだといって市民の負託を得た。小さなことでもスルーはできない」と話す。

 一方、市議の一人は「私たちも市民に選ばれている」とした上で「対立をあおって何がしたいのか」と批判。ベテラン市議も「目的が分からない」と話す。

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