【発掘!流行り歌 徒然草】椎名林檎「ここでキスして。」(1999年) 年配には受け入れにくい「違和感」は大化けの予兆 デビュー秘話 (1/2ページ)

2016.06.07

ステージ上のパフォーマンスも斬新だった椎名林檎(2000年)
ステージ上のパフォーマンスも斬新だった椎名林檎(2000年)【拡大】

  • <p>椎名林檎「ここでキスして。」(1999年)</p>

★椎名林檎「ここでキスして。」(1999年)

 石嶺聡子の「花」のヒットで勢いをつけ、次のアーティストの準備にとりかかろうとした時期、九州エリアの宣伝マンから、椎名林檎の存在を知らされた。

 熱心な宣伝マンの彼が椎名をぜひ担当したいという。すでに本人にアプローチをかけて、良い感触を得ているというのだ。僕は音も聞いていなかったが、即座に獲得を指示した。昨今、情熱をもって行動する若い社員が珍しくなっていたから、彼の意気にかけた。

 椎名は高校1年でホリプロタレントスカウトキャラバンに出場。さまざまな音楽コンテストで上位に賞を獲得し、いくつかのレコード会社から声がかかる逸材だった。

 彼女の楽曲で最初に驚いたのは曲のタイトル。「幸福論」「歌舞伎町の女王」といった奇抜さ。メロディーもオリジナリティーに富んでいた。

 レコード会社内でマネジメントをしていることが、大きな決め手となり、契約が決まった。

 楽曲制作の準備に入ったが、その頃から現場の仕事を減らし、プロデューサー的な立場に移行していたので、実績のある外部ディレクターに現場を任せることにした。

 ディレクターの意見は作品はかなりの手直しが必要とのこと。しかし、本人が「どうしても納得できない」と強烈に拒否したため、断念するしかなかった。

 正直言って、僕もディレクターと同意見だったが、これほどの違和感を抱かせる作品に出会った経験がなかったので、ひょっとしたら、この違和感は大化けの予兆かもしれないとも思った。

 

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