【ランキング多数】あなたの街の1位は ギョーザ以外も家計調査

毎年この時期のおなじみになりつつある総務省「家計調査」の発表。

ラーメンやギョーザが注目されがちですが、実は503もの品目について調べているんです。

たとえば、「まぐろ」の支出額1位は静岡市、「焼酎」は鹿児島市、「温泉」は青森市…

なるほど、うなずけます。

一方で、「米」は浜松市、「ビール」は青森市(風呂上がりの一杯?)、洋服や美容代などに最も支出しているのは、さいたま市という結果も。

家計調査からは、産地から見る「日本一」とはまた違った地域の姿も見えてきます。

最も“消費”した自治体は?

まずは、2023年の1年間で、最も消費額が大きかった地域です。

1位は412万9107円でさいたま市でした。

2位は409万5843円で東京都区部、3位は399万1958円で津市という結果になりました。

一方で、最も消費しなかったのは松山市で268万1073円と、1位のさいたま市とはおよそ145万円の差がありました。

※図表「消費支出」
上位1位さいたま市 2位東京都区部 3位津市 4位堺市 5位富山市
下位1位松山市 2位那覇市 3位宮崎市 4位和歌山市 5位長崎市

「食べ物」消費額1位をイッキ見

「ラーメン」や「ギョーザ」以外の食べ物はどんなものが調査されていて、どの自治体が1位なのか。

ほんの一部ですがこちらにまとめました。

米派?パン派?

「食べ物」について詳しく見ていきましょう。

まずは、主食です。

「米」派?それとも「パン」派?のデータを見ていきます。

「米」に消費した金額が1位だったのは浜松市で2万6724円、2位は福島市で2万5752円、3位は静岡市で2万5433円でした。

静岡県は米派が多いことがうかがえます。

一方、「パン」は1位が神戸市で4万1183円、2位が和歌山市で3万9397円、3位が大津市で3万9342円でした。

肉をよく食べるのは…

続いては肉。

「肉類全般」の消費額の1位は11万5587円で大阪市、次いで11万4690円で京都市、3位は11万4085円で熊本市でした。

続いて4位は11万3181円で堺市、5位は11万743円で和歌山市と、関西の自治体が多くランクインしていました。

ちなみに、「牛肉」は和歌山市が、「豚肉」は東京都区部が、「鶏肉」は大分市がそれぞれ1位でした。

魚介類は…

「たらこ」と聞くとどこの地域を思い浮かべますか?

「たらこ」の消費額1位は北九州市で4958円、2位は福岡市で4709円、3位は青森市の3148円で、福岡県内で多く消費されていました。

一方、最も順位が低かったのが那覇市で669円。

1位の北九州市と大きな差がありました。

「まぐろ」も見ていきます。

1位は静岡市で1万254円、2位は名古屋市で8834円、3位は宇都宮市で8316円でした。

こちらで最も消費額が少ないのは908円の長崎市、次いで976円で北九州市でした。

北九州市は、たらこは大量に消費しますが、まぐろはあまり購入していないことがわかります。

納豆は “あの自治体” ではなく…

「納豆」と言えば水戸市が有名ですが消費額はどうなのか。

1位は盛岡市で6810円、2位は秋田市で6539円、水戸市は3位で6450円でした。

一方で、最も順位が低かったのが和歌山市で、次いで大阪市、堺市となっていました。

果物は産地でよく食べられる傾向?

「みかん」の代表的な産地は和歌山や愛媛、静岡ですが、消費額のほうはどうでしょうか。

1位は浜松市で6147円、2位は水戸市で5661円、3位は静岡市で5649円と、1位と3位が静岡県という結果になりました。

産地だというだけではなく、県内でよく消費されていることがわかります。

ちなみに「オレンジ」の消費額の1位は富山市、2位は鳥取市、3位は千葉市でした。

そして「りんご」

1位は長野市で1万900円、2位は青森市で9784円、3位は山形市で7953円とこちらも産地で購入されている様子がうかがえます。

高騰する野菜は?

最近値段が高騰している「野菜・海藻」をみると、1位は東京都区部で13万331円、2位は新潟市で12万8676円、3位は秋田市の12万6828円でした。

お酒は種類別で詳しく!

最もお酒にお金をかけている地域を見ていきます。

「酒類」の消費額が一番高かったのは新潟市で6万5012円、次いで青森市で6万4525円、3位は盛岡市で6万1170円でした。

さらに具体的に見ていきます。

「酒類」のうち「ビール」は1位が青森市で1万8507円、2位が盛岡市で1万7881円、3位が新潟市で1万6953円でした。

「清酒」では1位は秋田市で1万1276円、2位は新潟市で8591円、3位は盛岡市で7710円です。

「酒類」の上位の地域が「ビール」と「清酒」でも上位につけていました。

そして「焼酎」は、1位は鹿児島市で1万4307円、2位は大分市で1万650円、3位は宮崎市で9931円でした。

また「ワイン」は、1位が横浜市で7464円、2位が東京都区部で6603円、3位が熊本市で6421円でした。

ちなみに「チーズ」は1位が東京都区部で9515円、2位が相模原市で9407円、3位がさいたま市で8483円でした。

お菓子をよく消費しているのは…

お菓子好きはどこにいるのか。

和菓子や洋菓子を含めた「菓子類」を見ていきます。

1位はさいたま市で11万5215円、2位は大津市で11万2688円、3位は金沢市で11万2505円でした。

バレンタインデーが近づいてきましたが、「チョコレート」はどこが多いのか。

1位は9059円で奈良市、2位は8628円で盛岡市、3位は8392円でさいたま市でした。

一方で、最も順位が低かったのは5344円で長崎市、次いで5524円で松山市となっていました。

食べ物以外にも多岐にわたる調査

家計調査では食べ物以外にもさまざまな品目の調査をしています。

上位と下位、それぞれを見ることで分かることは?

「持家率」9割超はなんと…

まずは、“人生で最も大きな買い物”とも言われる家を持っている人「持家率」の割合です。

1位は津市で96.9%と、ほとんどの人が家を持っているという結果に。

一方、持ち家率が最も低かったのは那覇市で55%でした。

※図表「持家率」
上位1位津市 2位福井市 3位岐阜市 4位秋田市 5位奈良市
下位1位那覇市 2位鹿児島市 3位福岡市 4位広島市 5位札幌市・熊本市

光熱費にも地域差が

電気代やガス代を含めた「光熱・水道」をみてみます。

1位は山形市で38万3446円、2位は青森市で36万5723円3位は盛岡市で35万8230円などと、東北地方が目立ちます。

最も低かったのは宮崎市で22万3859円、次いで北九州市の22万4858円でした。

※図表「光熱・水道」
上位1位山形市 2位青森市 3位盛岡市 4位秋田市 5位福井市
下位1位宮崎市 2位北九州市 3位松山市 4位神戸市 5位大分市

ちなみにエアコンの購入額では札幌市が0円と最も低くなっていました。

外食にお金をかけているのは…

「家で作れないものが食べたい」「疲れて家で作るのが面倒」そんなときに心強いのが「外食」です。

「外食費」にかけるお金が一番多い地域を見てみます。

1位は東京都区部で25万2561円で、2位はさいたま市の24万9368円、3位は名古屋市で22万7110円でした。

一方で、最も外食にかける額が低かったのは、青森市で10万3102円と東京都区部とはおよそ2.5倍の差がありました。

※図表「外食費」
上位1位東京都区部 2位さいたま市 3位名古屋市 4位横浜市 5位川崎市
下位1位青森市 2位秋田市 3位松山市 4位長崎市 5位鳥取市

「外食」のうち、いわゆる“ハレの日”に食べるイメージがある「すし」と「焼肉」を見てみると、「すし」の1位は金沢市、2位は静岡市、3位は名古屋市で、「焼肉」の1位は高知市、2位は堺市、3位は大分市となっていました。

おしゃれに気を遣っている?

毎日の生活に欠かせない「服」の消費額です。

1位はさいたま市で17万892円、2位は横浜市で15万1997円、3位は北九州市で15万1235円でした。

一方、最も低かったのは那覇市で7万8914円、続いて青森市の8万4568円、秋田市の8万4773円でした。

※図表「被服及び履物」
上位1位さいたま市 2位横浜市 3位北九州市 4位東京都区部 5位岡山市
下位1位那覇市 2位青森市 3位秋田市 4位松山市 5位和歌山市

このうち「和服」に絞ると、1位は前橋市の4万8384円で最も低かったのは秋田市で21円でした。

美容にお金をかけているのは…

化粧品や美容機器、シャンプーや歯ブラシといった「理美容用品」を見ていきます。

1位はさいたま市で7万5464円、2位は千葉市で7万2521円、3位は名古屋市で7万727円でした。

※図表「理美容用品」
上位1位さいたま市 2位千葉市 3位名古屋市 4位北九州市 5位東京都区部
下位1位松山市 2位青森市 3位那覇市 4位宮崎市 5位福井市

アクセサリー1位は京都市

身の回り用品のうち、「アクセサリー」です。

1位は京都市で1万3761円、2位はさいたま市で1万3097円、3位は名古屋市で1万236円でした。

※図表「アクセサリー」
上位1位京都市 2位さいたま市 3位名古屋市 4位札幌市 5位山形市
下位1位宮崎市 2位福島市 3位松江市 4位津市 5位大津市

年々 肩身が狭くなっている愛煙家たちは…

「たばこ」の消費額です。

1位は札幌市で2万1789円、2位は鳥取市で1万9597円、3位は松江市で1万9371円です。

最も低かったのは神戸市で5026円、次いで松山市で5750円、静岡市で6710円でした。

※図表「たばこ」
上位1位札幌市 2位鳥取市 3位松江市 4位高知市 5位青森市
下位1位神戸市 2位松山市 3位静岡市 4位福井市 5位岐阜市

交通費 航空運賃も

鉄道やバスなどの「交通」

1位は東京都区部で、2位はさいたま市、3位は川崎市、4位は千葉市、5位は横浜市となっています。

最も低いのは松山市で、秋田市、福井市が続いていました。

このうち「航空運賃」を見てみると1位が那覇市で2万3726円、2位が東京都区部で1万9811円、3位が札幌市で1万7837円などとなっている一方で、最も低かったのは長野市で、0円でした。

※図表「航空運賃」
上位1位那覇市 2位東京都区部 3位札幌市 4位宮崎市 5位福岡市
下位1位長野市 2位和歌山市 3位前橋市 4位福井市 5位富山市

自動車の購入費 東京はやはり…

生活の足として欠かせない地域もある「自動車」の購入費について見てみます。

1位は津市で38万8515円、2位は岐阜市で31万2732円3位は富山市で28万3777円でした。

一方、最も低かったのは東京都区部で、0円でした。

※図表「自動車購入」
上位1位津市 2位岐阜市 3位富山市 4位甲府市 5位山形市
下位1位東京都区部 2位福井市 3位岡山市 4位横浜市 5位松山市

ただ、東京都区部は、「自転車」の購入費については1位で、9229円でした。

レンタカー・カーシェアリング料金の額も1位です。

※図表「自転車購入」
上位1位東京都区部 2位川崎市 3位福島市 4位相模原市 5位京都市
下位1位長崎市 2位浜松市 3位広島市 4位札幌市 5位金沢市

授業料 東京がぬきんでている…

国公立や私立の小学校から大学までの「授業料」について見ていきます。

1位は東京都区部で22万9964円、2位は京都市で16万6441円3位は横浜市で16万4017円です。

最も低いのは秋田市で3万282円、続いて前橋市の3万7527円などとなっています。

※図表「授業料等」
上位1位東京都区部 2位京都市 3位横浜市 4位堺市 5位さいたま市
下位1位秋田市 2位前橋市 3位長崎市 4位高松市 5位鳥取市

学習塾・予備校など

さらに「塾や予備校」にかけるお金がどれぐらいなのかみていきます。

1位は相模原市で7万1851円、2位は福岡市で5万9474円、3位は奈良市で5万8573円です。

一方で最も低かったのは松山市で5240円、次いで北九州市で6796円、盛岡市の6969円などとなっています。

※図表「補習教育」
上位1位相模原市 2位福岡市 3位奈良市 4位さいたま市 5位東京都区部
下位1位松山市 2位北九州市 3位盛岡市 4位水戸市 5位青森市

温泉・銭湯は…

「温泉や銭湯」の入浴料です。

1位は青森市の4687円、2位は富山市の3581円、3位は金沢市で2841円でした。

※図表「温泉・銭湯入浴料」
上位1位青森市 2位富山市 3位金沢市 4位長野市 5位前橋市
下位1位那覇市 2位岡山市 3位さいたま市 4位大分市 5位北九州市

寄付金 岐阜県が2位に2倍?

「寄付金」について見てみました。

1位は岐阜県で、5万7015円と2位に2倍以上の差をつけていました。

2位は岡山県で2万5784円です。

最も低かったのは宮崎市で1610円でした。

※図表「寄付金」
上位1位岐阜市 2位岡山市 3位横浜市 4位堺市 5位札幌市
下位1位宮崎市 2位山形市 3位秋田市 4位長崎市 5位津市

家計調査って何?どうやって選ばれる?

総務省統計局が行っているもので国民の家計収支や個人の消費動向を把握して、国や地方公共団体などが経済の政策を立案するときの基礎資料として使われています。

調査は、人口や世帯主の年齢構成などに偏りが出ないように国が調査する地域を決めたうえでその中から無作為に選んだ全国約9000世帯が対象で、選ばれた2人以上の世帯は6か月間、単身世帯の場合は3か月間、専用の冊子もしくはインターネットサイトから回答します。

国によりますと、家計調査への回答は法律で定められていて、報告する義務があるということです。

町おこしのきっかけにも

この家計調査の結果は、ラーメンやギョーザ、納豆など、品目によってはどの自治体がナンバーワンを取るかが注目されたり、鳥取市が、かにの支出金額で全国1位を取ったことなどで、県が、かにをメインに据えた観光キャンペーンを打ったりするなど、自治体のPRや町おこしに利用されています。

回答は「大変」?

回答用紙には、家庭の毎月の給料などの収入や貯蓄や負債の状況、どんなものをどれくらい、いくらで、どんな決済方法で買ったかなどの情報を細かく記入することが求められます。

SNS上では、「大変だ」「正直、面倒だ」などという意見もあります。

現金、商品など、謝礼はあり

一方で、協力した世帯には謝礼が準備されています。

例えば2人以上の世帯だと、6か月協力すると金額は最大2万1000円と国が決めていて、都道府県が品物を自由に選ぶことができます。

NHKが取材したところ、2万1000円を上限に、回答できなかった月分を差し引いて、現金を振り込むという自治体が最も多く、北海道は全国で使える商品券、埼玉県はクオカードを送っていました。

さらに東京都は、カレーや麺や米、ゼリーなどの品物を毎月送っているということです。