怪物・松坂が甲子園を沸かせてから3年後の夏、南国宮崎に超豪腕が出現した。最速155キロ。日南学園のエース寺原だ。「しばらく松坂クラスは出てこないと思っていた。プロが使うスピードガンで150キロを超えた投手は今まで見たことがない。将来は160キロを出す可能性もある」。ネット裏から見守る巨人松本スカウトも日追うごとに寺原の「進化」に目を丸くする。
レベルが違う。寺原の投球をバットに当てるだけで、スタンドからは拍手が起こる。「体全体がバネのように躍動感がある。高校3年のこの時期にこれだけ投げれるとは。バランスもいい」(松本スカウト)。称賛の言葉は限りない。
昨秋の九州大会では、147キロを計時しながら準々決勝で敗退した。雪辱を胸に冬場は徹底的に下半身をいじめた。2人組になり肩車でのダッシュにスクワット。下半身強化のメニューは2時間にも及んだ。太もも太さは60センチを越えた。150キロ右腕に「進化」していた。春季県大会では152キロ。6月の練習試合では怪物くんも超える155キロを弾き出した。米大リーグ・メッツの大慈彌(おおじみ)スカウトも徹底マークするなど水面下では早くも日米の獲得合戦が加熱しているほどだ。
「球速NO・1と言われても、まだ全国的には実績がない。このままではプロでやっていく自信がない。防御率0で甲子園に行って、松坂を越えたい。その次に自己記録に迫りたい」。155キロの豪腕を全国に披露するまで、負けるわけにはいかない。 【村田義治】
寺原 隼人(てらはら・はやと)
◆生まれ 1983年(昭58)10月9日生まれの17歳。宮崎市出身。
◆10年目 本郷小3年のとき軟式「ワールドボーイ」で野球を始める。それから投手一筋。
◆全国経験 赤江東中3年のとき、4番エースとして県大会優勝。全国大会は初戦敗退。
◆1勝に泣く 優勝候補に挙げられながら昨秋の九州大会では、準々決勝で敗れた。1勝差でセンバツ切符を逃す。
◆狙って155キロ 6月9日の練習試合(市船橋)で自己最速となる155キロを計時した。「狙って思い切り投げました」。
◆五輪出場も 五輪への夢もある。最終目標はプロ。好きな球団はダイエーだが、「(五輪には)プロで行くのと社会人でいくのとは違いますから」。社会人入りも視野に入れている。
◆バッティング好き マウンドに立たないときは、センターを守る。通算本塁打は10本。
◆ボディー 179センチ、82キロ。足のサイズは27・5センチ。右投げ右打ち。
◆家族 父薫さん(50)母裕子さん(44)兄淳一郎さん(24)姉絵美さん(21)弟寿隆さん(7)
<01年7月2日>日南学園寺原・松坂超えだ 高校野球・宮崎バックナンバー
<高校野球・宮崎 ニュース> ・ 日南学園、初戦突破ならず (3月23日 21:21) ・ 日向学院、日南学園下しV (10月15日 17:20) ・ 宮崎決勝戦は雨天順延 (10月14日 09:50) ・ 日南学園と日向学院で決勝 (10月13日 13:43) ・ 宮崎大会は12日も順延 (10月12日 10:08)
<関連ニュース> ・ 決勝は東北福祉大と日大/大学野球 【アマ野球】(6月15日 18:16) ・ 九東大は明大に敗れる/大学野球 【アマ野球】(6月14日 20:23) ・ 熊本大会組み合わせ決定/高校野球 【高校野球】(6月14日 17:38) ・ 徳山大は4強進出ならず/大学選手権 【アマ野球】(6月14日 12:55) ・ 明大の一場が完全試合/大学選手権 【アマ野球】(6月13日 18:20)
<関連ジャンル> / 高校野球・宮崎 / 高校野球 / 高校野球・福岡 / 高校野球・佐賀 / 高校野球・長崎 / 高校野球・熊本 / 高校野球・大分 / 高校野球・鹿児島 / 高校野球・沖縄 / 高校野球・山口 / アマ野球 / |