レッドデータブックは、絶滅のおそれのある野生生物などをリストアップして、その現状をまとめた報告書である。世界的には、1966年に国際自然保護連合(IUCN)が、哺乳類と鳥類について世界的な規模で絶滅のおそれのある種をリストアップした報告書を公表し、以後改訂が続けられている。わが国においても1989年に(財)日本自然保護協会ほかが「わが国における保護上重要な植物種の現状」を、1991年に環境庁(現環境省)が「日本の絶滅のおそれのある野生生物」として、脊椎動物編および無脊椎動物編を公表した。
兵庫県では、1995年に他県にさきがけて、地域版レッドデータブックとして「兵庫の貴重な自然−兵庫県版レッドデータブック−」を公表した。これには野生動植物のほか、植物群落、地形、地質、自然景観をも選定評価の対象としている。
その後、環境省では植物版レッドデータブックの作成および動物版レッドデータブックの改訂作業が進められ、レッドリストについては、全分野での作業が完了している。レッドデータブックについては、現在「爬虫類・両生類」「植物(維管束植物)」「植物(維管束植物以外)」「哺乳類」「鳥類」「汽水・淡水魚類」が発行されているところである。
兵庫県では、前回県版レッドデータブックを発行して8年が経過し、その後の新たな情報の蓄積や、前回作成時にあまり得られなかった生物分野の情報収集が進んできた。これらの情報に基づく選定・評価の見直しが必要となってきたため、今回「改訂・兵庫の貴重な自然−兵庫県版レッドデータブック−」を作成したものである。 |
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