深谷市、2社と事業契約 花園IC付近 再開発計画

2019年11月20日 02時00分

事業契約を結んだ(左から)三菱地所・サイモンの山岸社長と深谷市の小島市長、キユーピーの長南社長=深谷市役所で

 関越自動車道花園インターチェンジ(IC)近くで進めるアウトレットモール(観光型集客施設)を核とした再開発計画で、深谷市は、アウトレット・ゾーンを手掛けるデベロッパー三菱地所・サイモン(東京)と、隣接地に畑や野菜にちなんだレストランや物販施設を中心に整備する食品会社キユーピー(同)とそれぞれ事業契約を結んだ。いずれも二〇二二年中の開業を目指す。
 市は計約五十億円の事業費を投じ、拠点完成後は年間六百五十万人の集客を見込む。アウトレット・ゾーンの約百メートル南には、昨年十月に秩父鉄道の新駅「ふかや花園駅」が開業した。
 計画全体の規模は、約二十七万六千五百平方メートルに上る。このうち約十七万六千八百平方メートルに、三菱地所・サイモンが「ふかや花園プレミアム・アウトレット」(仮称)の店舗や駐車場を整備する。二二年秋までに第一期として最大約百二十店が開業する予定で、同社の山岸正紀(まさき)社長は「非日常空間で散策や買い物を楽しんでほしい」とする。第二期、第三期と徐々に拡大し、将来は全国有数の規模に発展させる計画という。
 一方、キユーピーは、アウトレット・ゾーン西側の約一万七千六百平方メートルに「深谷テラス ヤサイな仲間たちファーム」を計画。同社初の試みで、野菜に関連したレストランのほか、体験農場なども整備するという。二二年春の開業を目指し、長南収(ちょうなんおさむ)社長は「野菜の魅力の発信拠点としたい」と期待を込めた。
 両社は、深谷市の魅力として「都心からの程よい距離と集客力」を挙げる。市は、全国有数の産出額を誇る野菜を前面に出した「ベジタブルテーマパーク」構想や、新一万円札の肖像に決まった地元出身の実業家渋沢栄一の顕彰事業を進めている。小島進市長は「全てが連動して新しい深谷の街づくりが動きだす」と意気込んでいる。 (渡部穣)

花園IC付近の再開発計画の全体図(深谷市提供)

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