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代替療法ホメオパシー利用者、複数死亡例 通常医療拒む(1/2ページ)

2010年8月11日5時46分

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写真:亡くなった女性が入院直前に療法家に送った携帯メール。「心臓が、止まりそうな痛さです。先生(ホメオパシー療法家)お願いですから来て下さい。」と書いていた(写真の一部を加工しています)亡くなった女性が入院直前に療法家に送った携帯メール。「心臓が、止まりそうな痛さです。先生(ホメオパシー療法家)お願いですから来て下さい。」と書いていた(写真の一部を加工しています)

 代替療法ホメオパシーを利用している人の中で、病気が悪化して死亡する例が相次いでいる。通常の医療は末期になるまで受けていなかった。東京では5月、国立市の女性(当時43)が、がんで死亡した。埼玉でも昨年5月、男児(同生後6カ月)が死亡した。女性の遺族らは先月、「憂慮する会」を設立し、ホメオパシー療法家らに真相解明を求めて運動を始めた。

 5月16日、東京都東大和市内の病院の集中治療室。女性は、悪性リンパ腫が悪化して人工呼吸器を付け、声も出せない状態だった。親交のあった荒瀬牧彦牧師=めぐみ教会(東大和市)=が見舞うと、手話で3回、「ごめんなさい」と訴えた。ホメオパシーに頼り、前日に救急搬送されたばかり。入院から11日後に死亡した。

 荒瀬牧師は「最後の最後になり、自分の誤りに気づいたのかもしれない」と話す。

 両親によると、女性がホメオパシーを始めたのは3年前。離婚直後で精神的に不安定な時に友人に紹介された。昨春から体調を崩し、全身の痛み、強い肌荒れを訴え始めた。荒瀬牧師は何度も病院受診を勧めた。だが女性は「今までのホメオパシーの努力が無駄になる」と拒み続けたという。

 5月には外出も困難に。激しい胸の痛みに母親(69)が救急車を呼ぼうとすると、「西洋医学はダメ」と最後まで拒んだ。気を失いかけたすきに、母親が救急車を要請。搬送先で、初めて悪性リンパ腫と診断された。

 さいたま市では昨年5月、生後6カ月の男児が体重5千グラム前後の低体重のまま死亡した。両親は助産師の勧めでホメオパシーに傾倒。市によると、病院での男児のアトピー性皮膚炎の治療や予防接種も拒否していたという。

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