「ジャパンスタンダード進化論」

ZEPHYRχ(カイ)

 ネイキッド文化の先駆者として長きに渡り歴史を創り続けてきた「ジャパンスタンダード」ZEPHYRが、1996年、ZEPHYRχとして深化を遂げた。

 そして1997年、成長したエンジンに対応するべく足回りをリファインし、より一層の快適性としなやかさ、走りの総合性能を高めて[NEW ZEPHYRχ]として登場した。




1997 ZEPHYRχ メタリックダークブロンズ


1997 ZEPHYRχ ルミナスビンテージレッド


1997 ZEPHYRχ パールロイヤルブルー


それでは、どこがNEWなのか1996 ZEPHYRχと比較しながら説明させていただく。


●グリップ力を高めるべくハイグリップラジアルタイヤ:ブリヂストン製バトラックスBT-54
 を装着し、それに伴いスポーツ性の高い新型3本スポークホイールを採用した。
           (フロント:120/70 ZR17、リア:150/70 ZR17)
             [1996はフロント:110/80-17、リア:140/70-17]


1996 ZEPHYRχ


1997 ZEPHYRχ


●強力なパワーを制御するために、同径4ポット(対向ピストン)キャリパーを装着し、マスタ
 ーシリンダー内径を14mmから15.8mmに拡大することにより、コントロール能力を向上させた。


1996 ZEPHYRχ


1997 ZEPHYRχ


●大きな荷重と衝撃が加わるステアリングヘッド回りの剛性を高めるため、フロントフォークの
 
インナーチューブ径を41mmに設定し、シャープで安定感のあるハンドリングを実現した。


●サスペンションセッティングの変更とハイグリップタイヤの装着にあわせて、スイングアーム
 
の剛性を強化するためにガセットを追加した。


1996 ZEPHYRχ


1997 ZEPHYRχ


●前方に40mm、下方に26mmステップ位置を変更することにより、ゆとりあるポジションを
 
確保した。また、ステップのグリップゴムはZRX1100に採用したやわらかくて厚めのものを
 使用し、振動を防ぎ快適な乗車感を得ることに成功した。


1996 ZEPHYRχ


1997 ZEPHYRχ


●ZRX1100で採用したスリムなタイプのグリップに変更した。


●ホイールベースを1,440mmとし、1996モデルより10mm短くすることにより、軽快なフット
 
ワーク達成した。


進化したZEPHYRχの走行感は・・・

 1996モデルに比べて、確かにパワーとフットワークのマッチングが向上した。これは走り出せば一般のライダーにも一目瞭然にわかるレベルである。特筆すべきはタイヤのグリップ感がすばらしいことだ。小さなギャップ、例えば道路のつなぎ目などの不快な小さな衝撃をうまく吸収する。

これはラジアルタイヤに加えて車体の剛性アップと、硬めにセッティングされたサスペンションとのバランスがうまくいっている証拠といえよう。
 「しっとり、しなやか・・・」、これが新しいZEPHYRχのフットワークだといえる。また、このフットワークはブレーキング時のノーズダイブを防ぎ、常に安定したライディングポジションを確保してくれる。疲れずゆとりを持って走れることは、より自然な乗車姿勢がとれるステップ位置の変更とともにさらに快適なツーリングが可能になったわけで、いかにもZEPHYRシリーズの持ち味を活かした改良となった。
 さらに、対向ピストンの4ポットブレーキは、ブレーキングタッチが大きく向上したため、微妙な制動力が常に安定した状態で操作でき、今まで以上にコントローラブルになった。

 高回転域への伸びや鋭い加速感は1996モデルでも定評のものであるが、今回さらに右に左に曲がり、止まり、発信する感覚も、全て軽くなったのである。

 ビギナーからベテランまで十分に高いポテンシャルが楽しめ、高回転域での“面白い走り”が堪能できるスポーツバイク・・・、それが新しいZEPHYRχだと思う


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