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備蓄食 知恵比べ…企業向け需要拡大

チキンラーメン缶 賞味期限3年ジュース

 食品メーカーが、災害時用の「備蓄食」の拡充に乗り出した。品質が劣化しにくい缶入り製品や、賞味期限が長い商品が登場し、企業や自治体の関心も高まっている。

 東京都が4月から施行した「帰宅困難者対策条例」で、企業などに全従業員の3日分の食料を備蓄するよう求めていることもあり、備蓄食市場は今後も伸びそうだ。

 ハウス食品は3月、備蓄用のレトルトカレー「LLヒートレスカレー」を自治体や病院向けに売り出した。水分が分離して風味などが劣化しないように原料を工夫し、常温で5年以上、保管できるようになったのが特徴だという。

 日清食品は、缶に入った「チキンラーメン保存缶」=写真右=と「カップヌードル保存缶」を自治体や企業向けに開発し、昨年8月には横浜市や東京都新宿区、大阪府池田市に計2万5000缶を寄贈した。

 江崎グリコの「ビスコ保存缶」の売上高も、東日本大震災後の2011年度に前年度の約10倍に急増し、12年度も同水準になったとみられる。通常のビスコを缶で密封し、酸化による品質劣化を抑えた。NECが12万食分を購入して全国の事業所に配備するなど、大企業の大量購入が目立つ。

 一方、カゴメは2月から、売れ筋の缶入り野菜飲料「野菜一日これ一本」=写真左=の賞味期限を従来より1年延ばし、3年にした。3年経ても味の変化がないことが分かり、「備蓄食」としてもアピールすることにした。

 調査会社の富士経済によると、11年の備蓄食市場は131億円と前年の1・3倍に増えた。15年には約160億円に達する見通しで、「今後も市場拡大が予想される」(野村証券の藤原悟史アナリスト)という。

2013年4月4日  読売新聞)

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