コールドケース-未解決事件を追う-コールドケース(2)・荒川24歳会社員路上刺殺事件
- コールドケース(2)・荒川24歳会社員路上刺殺事件 「黒っぽい上着の男」の映像公開
- 太田康治さん、24歳。およそ1年前、自宅アパート近くの路上で突然背後から刃物で刺され命を奪われました。警視庁は今日、防犯カメラの映像を公開。そこには黒っぽい上着の不審な男が映っていました。男は犯人なのでしょうか。コールドケース、二回目の今日は、荒川24歳会社員路上刺殺事件を追いました。
- 情報提供は…
警視庁荒川警察署捜査本部 03-3801-0110(内線3332)
番組メール coldcase@best.tbs.co.jp
なお番組にいただいた有力情報は捜査本部に提供させていただくとともに、番組作りに活かして参ります。ご了承ください。
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- 《深夜の住宅街駆け抜ける男 なぜ・・・》
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深夜の住宅街を、男が駆け抜けていく。
警視庁は、この男が、事件に関与している可能性が極めて高いとみて、現在、懸命に行方を追っている。
●太田さん「撮ってるよー」
本間さん「俺もビデオだから」
太田さん「お前のことをすごい撮ってるから」
友人とキャンプを楽しむ、太田康治(オオタヤスハル)さん。
屈託のない笑顔を見せる青年は、およそ3年後、突然、命を奪われることになる。
去年11月28日、東京の荒川区東日暮里の路上で、背後から刃物で刺され死亡。
仕事からの帰宅途中、自宅アパートのほぼ目の前でのことだった。
大学時代の友人、本間英樹(ホンマヒデキ)さん。
本間さんのビデオカメラの中には、太田さんとの思い出がたくさん詰まっている。
友人らに「ヤス」と呼ばれ、ムードメーカーだった太田さんが、なぜ突然殺害されたのか。理由が分からないという。
●本間さん
「何でヤスだったんだろうっていうのはいつも話に出ますね。結局、まだ犯人が分からない�状態で、ヤスを狙ってたのか、それとも誰でも良くて、たまたまヤスだったのか。せめてそれだけはいつか知りたいねって言っています。」
大学の1年先輩だった男性も、太田さんが襲われる理由は無いという。
●大学時代の先輩
「なんでそうなってしまったんだろうというところと、同じ一人の若者として悔しい思いですね。何か彼もやりたいことがあったのかなと思いますし。」
警視庁のこれまでの調べでも太田さんの周囲に、目立ったトラブルは見当たらなかった。
では、犯人は誰なのか、あの日、何があったのか-。
懸命の捜査…。だが目撃情報や遺留物が無く、未だ犯人逮捕には至っていない。
●報告・久保田智子
「太田さんは事件当日夜、勤務先から、自宅の最寄り駅であるこちらJR日暮里駅に到着します。その後、徒歩で自宅に向かいました。実際にそのルートを辿ってみたいと思います」
捜査本部が置かれている警視庁・荒川署の濱口隆雄(ハマグチタカオ)刑事課長に現場を解説してもらった。
<午後9時35分 JR日暮里駅から自宅へ…しかし>
駅の防犯ビデオの記録から、太田さんがJR日暮里駅に到着したのは、午後9時35分ごろ。
およそ1キロ離れた自宅に徒歩で向かう。
しかし…、自宅近くの角を曲がらず、直進。
●久保田「自宅を通り過ぎて直進するんですよね、太田さんは」
濱口「この近くのコンビニに立ち寄っていることがコンビニの防犯カメラで確認されています」
久保田「防犯カメラでの様子は?」
濱口「買い物をして、10時20分ごろに店を出て自宅方向に向かって行くことが確認されている」
コンビニエンスストアに立ち寄り、ポテトチップスなどを購入した太田さん。
変わった様子は全く無かったというが、直後に、悲劇が待ち受けていた。
<午後10時20分ごろ 動き出す男>
- 《防犯カメラに男 黒っぽい上着 新展開》
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午後10時20分ごろ。コンビニから自宅に向かい歩を進める太田さん。
ちょうどその頃、太田さんの自宅の一本裏の路地にある防犯カメラが、一人の男の映像を捉えていた。
これが、今日公開された男の映像。
黒っぽいジャンパーに、白っぽいズボンを着用している。
別の角度のカメラに切り替えると…男は商店の角を曲がった。
実はこの先に、まさに太田さんが襲われた現場がある。
●久保田「(撮影)時刻は」
濱口「(犯行時間の)およそ1分くらい前ですから」
現場の1本裏の路地で、10時20分ごろに撮影された2つの映像。
「黒っぽいジャンパーの男」と太田さんとの間に、その後何が起きたのか…。
<午後10時25分ごろ 「刺された」>
- 《自宅前にポテチ すぐ先に血痕 なぜ…》
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●濱口「ここではコンビニのですね、コンビニで購入した袋が落ちていました」
自宅の目の前にはコンビニ袋が落ちていて、ポテトチップスが散乱、太田さんと犯人はここでもみ合ったのだろうか…。
そして、自宅前から15メートル。T字路付近には大量の血痕が残されていた。
ここで、背後から刺されたのだろうか。
太田さんは、大通りまで逃げ、通りかかったタクシーに助けを求める。
●タクシー運転手
「ふらふらっと寄ってきた感じで、『病院に連れてって下さい』ということで、どうしましたといったら、『刺された』と」
「それで倒れちゃたので、110番通報したと」
タクシーの運転手が通報したのは、午後10時25分ごろ。
太田さんは、その後搬送先の病院で死亡が確認された。
背中を一突きにされ、傷は心臓近くまで達していた。失血死だった。
- 《防犯カメラに男 黒っぽい上着 新展開》
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「黒っぽいジャンパーの男」はどこへ行ったのか。
太田さんがタクシーに助けを求めたのと同じ頃、すぐ近くの防犯カメラに、重大な証拠が残されていた…。
小走りに画面を横切る男。あの黒っぽいジャンパーの男と同じ服に見える。
やはりあの男が、太田さんを刺し、走って逃げたのだろうか。
警視庁はこの映像の男が、犯人の可能性が高いとみている。
防犯カメラの設置場所から、この男がJR鶯谷駅がある、南の方角に向かったことが判明した。
そして、その南の方角におよそ400メートル離れた地点でも、不審な男が撮影されていた。
この男が「黒っぽいジャンパーの男」と同一人物かは確認できていないが、警視庁は、事情を聴きたい…と、行方を追っている。
防犯カメラの一連の映像。
警視庁は、男の身元の特定に全力を挙げているが、現在までに、有力な情報は寄せられていないという。
被害者は温厚で、人柄もいい好青年だと聞いています。
被害者の無念をはらすためにも、一刻も早く捕まえて罪をつぐなわせたい」
- 《「ヤスのこと一生忘れない」 荒川会社員路上刺殺を追う》
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大学時代の友人・本間さんは、事件後も太田さんとの思い出のビデオを、よく見ると言う。
●本間さん
「これ、ヤスですね。ほんとくだらないですけど、ただ階段の上から走れって」
●太田さん「イェーイ」
●本間さん
「こういう事件って忘れられるじゃないですか、でも僕らは一生ヤスの話をし続けるよっていうのはみんなで心に決めているんで、だから俺らはヤスのことを忘れないから、俺らがこの先バカやってくのをちゃんと見ててねって思います。いつもちゃんとヤスの分のビールを用意してるんで」
突然奪われた若い命…。
生きていれば来月、太田さんは26歳の誕生日を迎えるはずだった。