メキシコ最高裁 大麻栽培禁止に違憲判断
メキシコの最高裁判所は4日、嗜好用の大麻の合法化を訴える原告4人に対し、自家用栽培と使用を認める判決を下した。販売はできないが、今回の判決が広範囲な合法化に道を開く可能性があるとの見方が一部にある。
原告は2013年に娯楽目的での大麻栽培の許可を求める訴えを起こしていた。最高裁は今回、4対1で大麻を使用する目的で栽培するのを禁止することは違憲にあたるとの判断を下した。
メキシコは、麻薬カルテルが関わる犯罪に長年悩まされてきた。同国では毎年、麻薬関連の殺人が数万件起きている。
現場から――BBCニュース、ケイティ・ワトソン記者(メキシコシティ)
麻薬に関連した暴力が横行するこの国で、大きな意味を持つ判決だ。判決は訴えを起こした個人に対してのみ適用されるが、活動家たちは大きな最初の一歩になったと評価している。
原告の一人、アルマンド・サンタクルーズ氏はメキシコで有力な実業家で、大麻合法化を求める運動を主導してきた。彼は、今回の判決が今後さらに多くの判例に繋がると考えている。
しかし、メキシコ国民の間では合法化に関する意見が分かれている。エンリケ・ペニャ・ニエト大統領は麻薬政策のいかなる変更にも強く反対しており、この国における大麻合法化を求める戦いはまだ始まったばかりだ。
最高裁前に集まった合法化を訴える人々は判決を歓迎し、その場で大麻を吸引した。
原告の訴えを認める賛成意見を述べたホゼ・ラモン・コシオ最高裁判事は、「麻薬合法化もしくは一部の合法化に向けて、最高裁がこれほど重要な一歩を進めるのであれば、これと同程度に大きな影響がある判決を下すのと同じくらい慎重でしっかりした判断をすべきであろう」と述べた。
隣国である米国では一部の州が大麻を合法化しており、メキシコに対しても麻薬関連法制の緩和を求める声が高まっていた。メキシコは2009年に、5グラムまでの大麻所持を合法化している。
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