【ボクシング】井上尚弥 ネリ討ちに名乗り
WBO世界スーパーフライ級王者の井上尚弥(24=大橋)が「神の左」の“敵討ち”に意欲を見せた。9月9日(日本時間10日)にはカリフォルニア州カーソンのスタブハブ・センターで、米デビュー戦となるV6戦を控える。ボクシング人生のターニングポイントとなる一戦を目前にした中での発言の真意は――。
井上は17日に横浜市内のジムで公開練習を行った。もちろんこれはランク7位の挑戦者、アントニオ・ニエベス(30=米国)戦に向けてのものだったが、話題は当然、2日前に山中慎介(34=帝拳)がWBC世界バンタム級タイトルのV13に失敗し、王座から陥落したことにも及んだ。この流れの中で「自分も近い将来にバンタム級に上げる方向で、間違いなく進んでいる」と改めて明言。その場合のターゲットとして「今後の山中さん(の去就)次第では、考える」と、新王者となったルイス・ネリ(22=メキシコ)への挑戦にも興味を持っていることを明かしたのだ。
井上がネリに挑んでベルトを奪取することになれば、元WBA世界ライトフライ級王者、具志堅用高氏(62)の連続防衛日本記録に並ぶことを目指しながら、4回TKOで敗れた山中の敵を討つ格好になる。
さらに歴代の名王者たちとも肩を並べる。WBCバンタム級の歴代王者は、山中の3代前が長谷川穂積氏(36)で、その2代前は辰吉丈一郎(47)。2人の間には14回にわたって王座を防衛したウィラポン・ナコンルアンプロモーション(48=タイ)が入り、長谷川の後にはフェルナンド・モンティエル(38=メキシコ)、ノニト・ドネア(34=フィリピン)という、日本でもおなじみのスーパースターたちがズラリと名を連ねる。
もちろん井上が言うように、山中が現役続行でリターンマッチを望めばそれが最優先となるが、グローブをつるす決断をした場合は名乗りを上げることを視野に入れているのだ。
そうした青写真を描くのも、まずは目前に迫った米デビュー戦できっちり結果を出してから。「プロである以上、お客さんにどう見られるか」と井上は内容にもこだわる。本場のファンに衝撃を与える勝利を見せつけ、新たな一歩を踏み出す決意だ。
【こんな記事も読まれてます】
【関連記事】