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  • 橋下知事に二審も賠償命令 光事件で懲戒呼び掛け

     橋下徹大阪府知事が、知事就任前にテレビ番組で山口県光市母子殺害事件の被告弁護団への懲戒請求を呼び掛けたことで業務に支障が出たとして、弁護団の4人が知事に計1200万円の損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決で広島高裁は2日、計800万円の賠償を命じた一審判決を変更、計360万円の賠償を命じた。

     広田聡裁判長は判決理由で「弁護活動の単なる批判は懲戒理由にならない。懲戒制度の目的に合わず不法だ」と指摘した。

     一審判決は「(弁護団が被告人の)主張を組み立てた」との発言を名誉棄損に当たると認定したが、広田裁判長は「弁護団が主張を『創作した』という発言とまではいえず、名誉棄損に当たらない」と判断した。

     昨年10月の一審広島地裁判決は「被告人の意思に沿った主張をしたことで弁護団が非難される筋合いはなく、懲戒請求の呼び掛けは違法性が大きい」としていた。

     橋下知事は「高裁の意見をうかがいたい」と控訴する一方、遅延損害金を含め約856万円を既に支払っている。

     一審判決によると、橋下知事は2007年5月、出演した民放番組で弁護団を「主張内容は荒唐無稽で許されない」などと批判し「見ている人が一斉に懲戒請求をかけたら、弁護士会としても処分を出さないわけにはいかない」と発言。放送後、4人が所属する広島弁護士会に、懲戒請求が多数出された。

      【共同通信】