あさドラ“メガネっ子”吉岡里帆「無色透明な女優でいたい」

2016年4月24日10時0分  スポーツ報知

 NHK連続テレビ小説「あさが来た」のメガネっ子・田村宜(のぶ)役で話題となった女優の吉岡里帆(23)がこのほど、スポーツ報知のインタビューに応じた。放送中の日本テレビ系連続ドラマ「ゆとりですがなにか」(日曜・後10時半)では主人公のひとり・松坂桃李(27)との恋の進展が期待される教育実習生役に抜てきされ、メガネを外して違う表情を見せている。成長著しい新進女優は、作品ごとに個性を変える「無色透明な女優でいたい」と夢を語った。(宮路 美穂)

 今世紀最高の平均視聴率23・5%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)をマークした「あさが来た」では、波瑠(24)演じる主人公・白岡あさを尊敬し、のちにあさの秘書見習いとなる丸メガネの「のぶちゃん」を、ときにコミカルに、ひたむきに演じた。女優人生でもひとつの転機になったと言い、「劇的に変わりましたね」と振り返る。

 「宜は、女性の生き方を模索する役だったので、女性から応援されることが増えました。『かなわない夢なんてないと思えた』と激励されたり、人生の層が厚くなるような気がして…。メガネは、最近ではかけてるほうがバレるのと、こっぱずかしくてあんまりかけてないですね(笑い)」

 ヒロイン・波瑠との出会いも宝物になった。「すっごく尊敬してます。ある日、スタッフさんが疲れているように見えて『自分のシーンでミスしちゃいけない』とガチガチになっていたら、波瑠さんが『私たちは、私たちができることを全力でやるべき。早く終わらせようなんて思わずに、何回でもやり直していいんだよ』と言ってくれた。これまで、人の目を気にしすぎることがあった。でも波瑠さんが、いいシーンを残すことこそが『仕事』だと思えるようにしてくれたんです」

 17日にスタートした「ゆとり―」では、松坂演じる小学校教師・山路のクラスで教育実習を行う女子大生・悦子を演じている。「ゆとり世代」を描く同作においても、その世代を象徴する役どころ。「どこにでもいる量産型の女子大生。怒られ慣れしてないゆとりの弱点を(演技で)示していくことが私が与えられてる役目だと思っています」

 23歳と若いが、落ち着いた話しぶりが印象的だ。「私は欲しいものは自分の力で手に入れたい。ハングリー精神強めで、どちらかというと団塊世代に近いなと思う。役とは真逆すぎるので、今は喜びより模索のほうが大きいかもしれません」。山路との恋の行方も気になるが「妄想さく裂系な奥手な男性と、おしゃれ感覚で恋愛しちゃえる女子大生のでこぼこ感を楽しんでもらえたら。この作品がすごいのは、現代の問題にフォーカスを当てている社会派の作品なのにちゃんと面白いこと。最高の組です」

 映画の聖地、京都・太秦で少女時代を過ごした。母と祖母に連れられ歌舞伎や能を鑑賞し、写真家の父が愛した日本映画に触れる日々が、自然に異世界への憧れを作った。エキストラの仕事で知り合った仲間に誘われ、自主映画や小演劇作品に参加し、演技に開眼した。泥臭く、魂を削るように表現への情熱を燃やし続けること。人気女優への階段を上り始めた今も、そのときの感情は大事にしている。

 えくぼの似合うキュートな見た目からは想像もつかないが、人間の欠落した部分に演じることの魅力を感じるのだという。「ふだんから不器用な人が大好き。台本をもらっても、その人のいいところよりダメなところを見たくなってしまう」と語る。「無色透明な役者でいられたらいいな。カラーを決めずに、役を与えられたときに、その『偏り』を発色よく表現できる人間でいたい」。次々と形を変える、水のような女優になることを夢見ている。

 ◆吉岡 里帆(よしおか・りほ)1993年1月15日、京都府生まれ。23歳。大学在学中から自主映画などに出演。養成所を経て2012年末から現在の事務所に所属。主な出演作に映画「明烏」「幕が上がる」(ともに15年)「つむぐもの」(公開中)など。4月からJ―WAVE「UR LIFESTYLE COLLEGE」(日曜・後6時)のパーソナリティーを務めている。「あさが来た」は5月5日前8時15分から総集編が放送される。特技は書道。身長158センチ。

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