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農林水産省

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特集1 米(1)



特集1   米
写真/吉野ヶ里遺跡(佐賀県)


私たち日本人の食生活に欠かすことのできない米。最新の研究によると、稲作の起源は中国の長江流域と考えられており、長江下流の河姆渡(かぼと)遺跡からは、約7,000年前の炭化米や、稲作に使われたと思われる道具が出土しています。稲作はここからインド、アジア各地へと広がっていきました。

日本では、縄文時代後・晩期には中国伝来の水田稲作が行われていた可能性が高いことが、近年の研究で分かっています。

弥生時代以降、水田稲作が本格的に始まり、日本各地へと急速に広がっていきます。田植えの時期には雨に恵まれ、稲が生育する夏は日射量が多く気温が上がり、稲穂が実る時期の空気は朝夕冷涼でやや乾燥している――。日本の気候風土が、稲の栽培に適していたのです。

稲作の普及に伴って、人々の生活は狩猟・採集を中心としたものから農耕中心のものへと変化。以来、単に主食としてだけではなく、祭祀や経済活動とも深く結びつきながら、米は今日まで日本人にとって特別な存在であり続けているのです。

本特集では、世界における生産・消費動向、日本における作付状況、最新のトピックからおいしく食べるコツまで、米に関するさまざまな情報を紹介します。


監修/佐藤洋一郎
取材・文/岸田直子
協力/米田和紀