日本物理学会誌
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Zピンチの物理と展望 : 自己収縮する系の再認識
高杉 恵一
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2005 年 60 巻 5 号 p. 351-358

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抄録

Zピンチはプラズマを流れる電流が周囲に磁場を形成し, プラズマ自体が周囲の磁気エネルギーを取り込んで自己収縮する性質を持っており, 自発的に高温高密度状態を作り出す.核融合研究の初期にはZピンチを用いた研究が行われたがその不安定性を克服できず, 早々にあきらめられた経緯がある.ガスパフZピンチの出現により, ZピンチがEUV光から軟X線の領域での強力なパルス光源として再認識されるようになり, 現在ではZピンチを慣性核融合のドライバーとして利用する研究が進められている.また次世代の半導体リソグラフィ用の光源としても開発が進められている.自己収縮する系としてのZピンチについて紹介する.

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