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最終更新:2013年12月21日(土) 18時35分

「餃子の王将」社長射殺、銃弾4発は全て急所に命中

 「餃子の王将」を展開する王将フードサービスの社長が射殺された事件の続報です。放たれた銃弾4発はすべて胸や腹といった急所に命中していたことがわかりました。警察は犯人が強い殺意を持って犯行に及んだとみて捜査しています。

 「遺体の状況、現場の状況から殺人事件と断定しました」(京都府警の会見 19日)

 19日午前6時前、「餃子の王将」を展開する王将フードサービスの社長だった大東隆行さん(72)が、京都市山科区の本社前で何者かに射殺されました。

 「全く予期せぬ出来事でした。(会社として)トラブルについては、現在のところ思いあたる節はない」(王将フードサービス 鈴木和久専務 19日)

 司法解剖の結果、死因は、腹を撃たれたことによる失血死。警察によりますと、犯人は小型の25口径の自動式拳銃で、至近距離から銃弾4発を発射し、胸や腹といった急所にすべての弾を命中させていたということです。

 「5時45分ごろ、家の前に出たら、すでに社長の車は止まっていた」(現場近くの住人)
 (Q.銃の発砲する音は?)
 「それは聞いてないですね」

 警察の聞き込み捜査では、これまで「銃声を聞いた」との証言が出ていないことから、音を消すサイレンサーという装置が使われた可能性もあるということです。

 「辺りはかなり真っ暗です。人影はほとんど見当たりません」(記者)

 大東さんは毎朝、会社と直線距離でおよそ800メートルのところにある自宅から車を運転し、午前6時前後に出社していました。事件当日の朝も、自宅近くの防犯カメラには、大東さんが運転していたとみられる車が、午前5時39分に出て行く様子が映っていました。犯人は、本社前の駐車場で待ち伏せ、車から降りた直後の大東さんを襲撃したとみられています。

 餃子1日100万個のキャッチフレーズで知られる「餃子の王将」。売上高はおよそ740億円で、大東さんは4代目の社長として、680店舗を展開するまでに成長させました。

 「一番の餃子のおいしさというのはやっぱりキツネ色で、食べた時にジューシー感がある。そういう餃子を全店出していけばもっともっと餃子は売れる」(王将フードサービス 大東隆行社長〔当時〕)

 餃子の王将は、1967年に京都に1号店を開店。看板商品の餃子は評判を呼び、次々と店舗を増やしていきました。ところが、90年代後半になると、外食チェーンが林立し、状況は一変。2002年度には、470億円の有利子負債を抱えて、倒産の危機にさらされます。このとき、再建を託されたのが大東さんでした。

 「ものすごいしんどい時期がありました。30店以上の店を閉めて、それでも絶対、王将を立て直していきたい。好きだから潰してはならんという何かがあった」(王将フードサービス 大東隆行社長〔当時〕)

 「自慢できることは社員だ」と話していた大東さんは、店長ひとりひとりの名前を覚えて接するなど、誰からも親しまれた社長だったといいます。

 「社長も無念だったかなと。今までありがとうございました。ご冥福を祈りますということです」(献花に訪れた取り引き業者)

 「すごく情熱がある、カリスマ的な感じの人でした」(献花に訪れた取り引き業者)

 毎朝、会社の前を掃除することが日課だった大東さん。警察は、犯人が大東さんの行動パターンを調べ、強い殺意を持って計画的に犯行に及んだとみていて、大東さんや会社にトラブルがなかったかどうか調べを進めています。(21日16:26)

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