GHS分類結果 (関係省庁連絡会議 平成18年度事業)

ID1406 メタミドホス(CAS番号 10265-92-6) 分類実施日 H18.10.23 (環境に対する有害性についてはH18.3.31)
使用マニュアル GHS分類マニュアル(H18.2.10 版)

物理化学的危険性

危険・有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起用語 危険有害性情報 分類根拠・問題点
1 火薬類 分類対象外 - - - 爆発性に関する原子団を含まない。
2 可燃性/引火性ガス 分類対象外 - - - GHSの定義における固体である。
3 可燃性/引火性エアゾール 分類対象外 - - - エアゾール製品でない。
4 支燃性/酸化性ガス類 分類対象外 - - - GHSの定義における固体である。
5 高圧ガス 分類対象外 - - - GHSの定義における固体である。
6 引火性液体 分類対象外 - - - GHSの定義における固体である。
7 可燃性固体 区分外 - - - ICSC(1999)では特定の条件下で可燃性であるとしているが、データがなく分類できない。国連危険物輸送勧告がクラス・区分6.1 (国連番号2783 有機リン系殺虫殺菌剤類、固体、毒性のもの(ICSC,1999))。
8 自己反応性物質および混合物 分類対象外 - - - 爆発性、あるいは自己反応性に関する原子団を含まない。
9 自然発火性液体 分類対象外 - - - GHSの定義における固体である。
10 自然発火性固体 区分外 - - - データがなく分類できない。国連危険物輸送勧告がクラス・区分6.1 (国連番号2783 有機リン系殺虫殺菌剤類、固体、毒性のもの(ICSC,1999))。
11 自己発熱性物質および混合物 区分外 - - - データがなく分類できない。国連危険物輸送勧告がクラス・区分6.1 (国連番号2783 有機リン系殺虫殺菌剤類、固体、毒性のもの(ICSC,1999))。
12 水と接触して可燃性/引火性ガスを発生する物質および混合物 区分外 - - - 水に対して安定(水溶解度1×10^(6)mg/L(20℃)、SRC(2006))。
13 酸化性液体 分類対象外 - - - GHSの定義における固体である。
14 酸化性固体 区分外 - - - 炭素、水素以外の元素と化学結合している酸素を含む有機化合物であるが、データがなく分類できない。国連危険物輸送勧告がクラス・区分6.1 (国連番号2783 有機リン系殺虫殺菌剤類、固体、毒性のもの(ICSC,1999))。
15 有機過酸化物 分類対象外 - - - -O-O-構造を含まない有機化合物である。
16 金属腐食性物質 区分外 - - - ICSC(1999)では軟鋼や銅を含む合金(工業用)を侵すとしているが、データがなく分類できない。国連危険物輸送勧告がクラス・区分6.1 (国連番号2783 有機リン系殺虫殺菌剤類、固体、毒性のもの(ICSC,1999))。

健康に対する有害性

危険・有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起用語 危険有害性情報 分類根拠・問題点
1 急性毒性(経口) 区分2 危険を表わす髑髏のシンボル
危険
飲み込むと生命に危険
ラットを用いた経口投与試験のLD50 21mg/kg (PATTY (4th, 2000))、16mg/kg (PATTY (4th, 1999))のうち低い値 16mg/kgから区分2とした
1 急性毒性(経皮) 区分2 危険を表わす髑髏のシンボル
危険
皮膚に接触すると生命に危険
ウサギを用いた経皮投与試験のLD50 118mg/kg (PATTY (4th, 2000))から区分2とした
1 急性毒性(吸入:ガス) 分類対象外 - - - GHSの定義による固体であるため、ガスでの吸入は想定されず、分類対象外とした。
1 急性毒性(吸入:蒸気) 分類できない - - - データなし
1 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) 区分2 危険を表わす髑髏のシンボル
危険
吸入すると生命に危険
ラットを用いた吸入暴露試験のLC50(粉塵・4時間) 0.162 mg/L (RTECS (2006))に基づき、区分2とした。
2 皮膚腐食性/刺激性 区分外 - - - 24時間試験であるが、IUCLID (2000)より、ウサギを用いた皮膚刺激性試験の結果、「刺激性はみられなかった」ことから、区分外とした
3 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 区分2B - 警告
眼刺激
ウサギを用いた眼刺激性試験のデータ (IUCLID (2000)) より、「軽度の刺激性がみられた」ことから、区分2Bとした
4 呼吸器感作性又は皮膚感作性 呼吸器感作性:分類できない  皮膚感作性:分類できない - (呼吸器感作性)−
(皮膚感作性)−
(呼吸器感作性)−
(皮膚感作性)−
呼吸器感作性:データなし  
皮膚感作性:  データ不足のため分類できない
5 生殖細胞変異原性 分類できない - - - データなし
6 発がん性 分類できない - - - データなし
7 生殖毒性 分類できない - - - データ不足のため分類できない
8 標的臓器/全身毒性(単回暴露) 区分2 (神経系) 危険を表わす人物シルエットのシンボル
警告
臓器(神経系)の障害のおそれ
ヒトについては、「縮瞳 (瞳孔の収縮)」、「副交感神経遮断薬」(RTECS (2004))、「意識消失、縮瞳、筋攣縮、発汗、遅延性の神経毒性」、「神経障害標的エステラーゼ (LNTE) 阻害 (遅延性神経毒性)」、「球後視神経炎、大腿部の知覚異常、末梢神経障害、遅延性神経障害」(HSDB (2003))、「この物質は中枢神経系に影響を与え、痙攣、呼吸不全を生じることがある。」(ICSC (J) (1994)) 等の記述、実験動物については「振戦、流涎、色素涙、呼吸困難、鼻汁、間代性けいれんが観察された。」、「歩行異常、筋攣縮、振戦」、「縮瞳、流涎、鼻汁、運動失調、中枢神経系の機能低下」(HSDB (2003)) 等の記述があることから、神経系が標的臓器と考えられた。なお、実験動物に対する影響は、ガイダンス値から判断すると区分1相当であるが、Priority 2のデータであり、「GHSによる健康有害性分類にかかる技術上の指針」の判断基準1bB を満たさないため、区分2とした。
以上より、分類は区分2 (神経系) とした。
9 標的臓器/全身毒性(反復暴露) 区分2 (神経系) 危険を表わす人物シルエットのシンボル
警告
長期または反復暴露による臓器(神経系)の障害のおそれ
ヒトについては、「この物質は神経系に影響を与え、遅延神経障害を生じることがある。」(ICSC (J) (1994)) 等の記述、実験動物については、「軽度の振戦、攻撃的な行動」(HSDB (2003)) 等の記述があることから、神経系に影響があると考えられた。なお、実験動物に対する影響は、区分2に相当するガイダンス値の範囲でみられた。
以上より、分類は区分2 (神経系) とした。
10 吸引性呼吸器有害性 分類できない - - - データなし

環境に対する有害性

危険・有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起用語 危険有害性情報 分類根拠・問題点
11 水生環境有害性(急性) 区分1 警告を表わす水生生物と毒物のシンボル
警告 水生生物に非常に強い毒性 甲殻類(オオミジンコ)の48時間EC50=0.026ppm(AQUIRE、2003)から、区分1とした。
11 水生環境有害性(慢性) 区分1 警告を表わす水生生物と毒物のシンボル
警告 長期的影響により水生生物に非常に強い毒性 急性毒性が区分1、生物蓄積性が低いと推定されるものの(log Kow=-0.8(PHYSPROP Database、2005))、急速分解性がないと推定される(BIOWIN)ことから、区分1とした。

参考資料

分類マニュアル

技術上の指針

解説・用語集(エクセルファイル(64KB))


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