連続幼女誘拐殺人事件で死刑が執行された宮崎勤死刑囚(写真、45)から300通以上の手紙を受け取った月刊誌「創」の篠田博之編集長は17日、「死刑を回避したいという意思を感じた。幻聴の頻度が増し、精神障害が重くなっている印象を受けた」と話した。死刑執行直前まで多数の知人と手紙をやりとりし、拘置所に届いた手紙は2000通を超えたという。
篠田編集長によると、宮崎死刑囚からの手紙は、毎月1−2通程度送られてきた。大半は、拘置所内で読んだ漫画のタイトルなどを列挙するだけの内容。死刑確定後は独房でビデオを見ることが許され、主にアニメ映画を鑑賞していた。
死刑判決については「何かの間違いだ」と無関心な書きぶりだったが、確定後に多数の弁護士に再審請求を依頼する手紙を送ったことも明かした。篠田編集長は「再審請求中は死刑が執行されないと誰かに聞いたのだろう」と推測する。
死刑確定の前後に8回面会した長谷川博一東海学院大教授(臨床心理学)は、宮崎死刑囚は統合失調症が進行し、空想の世界の中にいる状態だったと指摘。「自分が死刑になることの意味さえ分からなかったのでは」とする。
死刑執行の話題にも感情の変化は一切見せなかった。刑が確定すると本などの差し入れが制限されると伝えた時に、目を左右に激しく動かして「それは困る」と答えたのが唯一の反応だったという。
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ZAKZAK 2008/06/18