「宮下公園」の命名権をナイキに譲渡計画　渋谷区

　東京都渋谷区が同区神宮前の一等地にある「宮下公園」の命名権をスポーツ用品大手のナイキジャパンに譲渡する方針であることが１１日、分かった。桑原敏武区長が区議会定例会で「公園の命名権を売却し、環境改善を民間会社に委託する」と述べた。秋には着工し来春の完成を目指すとしている。

　宮下公園は渋谷駅から徒歩５分の好立地。山手線と明治通りに挟まれた縦長型で、面積は約１万８００平方メートル。公園内に区営の有料フットサル場などがある。

　桑原区長は「現在の公園は老朽化している。（ナイキによる改修費負担で）市民から要望があるスケートボード場とロッククライミング施設を新設する。エレベーターも設置しバリアフリー化を進める」と公園全体をリニューアルする計画を明した。

　一方、公園のホームレスの支援者らによる「みんなの宮下公園をナイキ化計画から守る会」は同日、区役所前でビラまきなどの反対運動を行った。同会の中郡千尋さん（２７）は「公園が企業の広告スペースになってしまう。区長のトップダウンで利用者に説明がないのもおかしい」と訴えている。