五輪直前 ボランティア2400人辞める 宿泊施設などに不満

五輪直前 ボランティア2400人辞める 宿泊施設などに不満
開幕まで1週間を切ったピョンチャンオリンピックの運営をサポートするボランティアが、宿泊施設の不備など生活環境への不満を訴え、およそ2400人が辞めていたことが大会の組織委員会への取材でわかりました。
組織委員会によりますと、ピョンチャンオリンピック開幕前の先月から、現地に入って選手や関係者、それにメディアなどに対して会場案内や通訳などで運営をサポートしています。

しかし、宿泊施設の一部では、温水が出る時間が制限され、冷水で体を洗わなければならなかったり、通勤のためのバスの本数が少なく、出勤や帰宅の際に寒さの中、1時間以上バスを待たされたりする苦情が相次ぎ、組織委員会によりますと、3日までにおよそ2400人が辞めたということです。

このため、組織委員会は、宿泊施設に温水を24時間使えるように要請を出したり、バスを増便したりしてボランティアの離脱に歯止めをかける対策に乗り出したということです。

大会期間中は、およそ2万人のボランティアが運営に関わる予定ですが、組織委員会は人数を多めに確保していることなどから、今のところ運営に支障はないとしています。

組織委員会のイ・ヒボム会長は、「冬のオリンピックは山間地域で開催されるため、宿泊や輸送など難しい点がある。不便さはまだあると思うが、今後も持続的に意見を聞きながら、ボランティアの環境を整えていきたい」とコメントしています。

ボランティアたちの声は

開幕前におよそ2400人のボランティアが辞めていることについて、参加している21歳の男子大学生は「バスが来るまで1時間待つこともあり大変だ。時間によって、お湯が出ない宿泊施設もあると聞いた。環境をしっかり整えてもらってまじめに働きたい」と話していました。

また、20歳の女子大学生は「ある程度覚悟はしてきたが、勤務地と宿泊地の往復に毎日バスで3時間かかり、バスの本数もあまりないので思っていたより環境は悪かった。組織委員会にはもう少しボランティアに気を配ってもらいたい。パラリンピックまでボランティアをするので問題なく大会が終わってほしい」と話していました。