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JR横須賀線 線路に水 半日運転見合わせ
12月6日 19時05分

JR横須賀線 線路に水 半日運転見合わせ
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JR横須賀線のうち、地下を走る東京・新橋間で、5日夜から地下水がたまって線路の一部が水につかるトラブルがあり、横須賀線は一部の区間で始発から12時間以上運転を見合わせました。JR東日本は、地下水をくみ上げる装置に泥が詰まったのが原因とみて調べています。
JR横須賀線では、地下を走る東京・新橋間で、5日午後9時すぎから地下水がくみ上げられなくなるトラブルが続き、6日朝になっても水が引かなかったことから、東京・品川間の上下線で始発から運転を見合わせました。
現場は、東京駅から品川方面におよそ1キロの、地下およそ35メートルの地点で、一時およそ70メートルにわたって水があふれ、一部はレールの上まで水につかったということです。復旧作業を続けた結果、横須賀線はおよそ12時間半後の午後5時半すぎ全線で運転を再開しました。
この影響で、横須賀線のほか、成田エクスプレスが72本運休し、さらに、直通運転をしているJR総武線の快速電車も東京駅で千葉方面への折り返し運転を行ったため、合わせておよそ7万7000人の利用者に影響が出ました。
JR東日本は、いったん貯水槽にためた地下水をポンプでくみ上げるためのパイプの吸水口に泥が詰まり、水を十分に取り込めなかったのが原因とみて調べています。
JR横須賀線のトラブルについて、JR東日本は「多くの利用者に迷惑をかけ申し訳ありません。再発防止に努め、安心して利用してもらえるよう努めます」とするコメントを発表しました。

水をくみ出す仕組みは

JR東日本によりますと、水につかった区間は地下を走る東京・新橋間で最も深い部分にあたり、この地点にトンネルの壁などからしみ出た地下水を集めて貯め、地上にくみ上げる仕組みになっています。鉄道などの地下トンネルでは、晴れや雨など天候にかかわらず、壁や天井から地下水がしみ出ることはあり、線路沿いに排水施設を設けてしみ出た水を集めポンプで排水しています。
JR横須賀線では、東京駅が地下20メートル、新橋駅が地下25メートルで、この区間で最も深い東京・有楽町の地下35メートルの地点にしみ出た水を集め、いったん貯水槽に貯めたうえでポンプで地上にくみ出す仕組みになっています。

徹夜の排水も追いつかず

JR東日本では、5日夜、地下の貯水槽がいっぱいになっているのに気づき、6台のポンプをすべて稼働させ対応したものの追いつかず、6日朝になって列車の運行を断念したということです。
JR東日本によりますと、地下の貯水槽がいっぱいになっているのに初めて気づいたのは5日午後9時15分ごろだったということです。ふだんは2台のポンプでくみ上げていますが、5日夜は6台すべてを稼働させて対応しました。しかし、その後も水が引いてはあふれる状態が続き、6台のポンプを使って徹夜で排水作業を続けましたが、始発直前の午前4時45分ごろになっても水が引かなかったため、6日の列車の運行を断念したということです。
JR東日本は、地下の貯水槽と地上をつなぐ2本のパイプの吸水口に泥がつまり、ポンプを稼働させても水を十分に取り込めなかったのが原因とみて調査しています。

貯水槽 夏に清掃し10月に点検

JR東日本によりますと、地下の貯水槽にたまった泥は、作業員が定期的に中に入り、いったん水を抜いたうえでスコップなどでかき出すということです。
JR横須賀線の今回の区間では、ことし7月末から8月初旬にかけて清掃作業が行われたということです。また、パイプの吸水口の点検は2か月に1度のペースで行われ、今回の区間についてはことし10月中旬に点検しましたが、泥が詰まるなどの異常はなかったということです。
JR東日本によりますと、今回のようにパイプに泥が詰まり、地下水がくみ出せなくなるトラブルは、確認できる範囲では例がないということです。

利用者「速やかに復旧を」

JR横須賀線の運転見合わせについて、品川駅では、利用者から、速やかに復旧できるようにしてほしいといった声が聞かれました。
このうち、横須賀線を利用して千葉に向かう予定だった20歳の女性と19歳の男性は「ふだん横須賀線を使っているので、きょうはほかの路線を乗り継がなければならず、電車が止まるのは困ります」と話していました。また、横浜から東京に横須賀線で向かう予定だった女性は「休日は予定を立てて外出しているので、電車が止まっているのは困ります。このところ首都圏のJRは運転見合わせが多く、利用者としては、しっかり点検するなどして不便がないようしてほしい」と話していました。このほか、会社員の23歳の男性は「地下水が貯まって電車が止まるなんて驚きです。予期せぬトラブルで電車が止まるのはしかたがないと思いますが、止まったときは迅速に復旧できるよう努めてほしい」と話していました。

首都圏のJR トラブル相次ぐ

首都圏のJRでは、このところ、各路線でトラブルが相次いでいます。
このうち先月30日には、営業運転を開始したばかりのJR山手線の新型車両で、運転席に異常を知らせる表示が出たり、ドアが正常に開かないといったトラブルが相次ぎ、初日から運転を取りやめる結果となりました。JR東日本は、翌日以降、新型車両を営業運転から外していて、この車両から初めて導入したINTEROS(インテロス)と呼ばれる次世代の情報管理システムが関係したとみて原因調査を進めています。
また、今月3日には、JR横浜線で、架線を張り替える工事中に線路脇の電柱が倒れ、一部区間が始発から5時間余り運転を見合わせるトラブルがあり、沿線の高校が臨時休校となるなどしました。この日は横浜線以外にも、山手線や、中央線と総武線の各駅停車などでトラブルが相次ぎ、合わせて25万人を超える利用者に影響が出ました。

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