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ピース又吉「火花」は出版界の救世主か

編集部
「ピース又吉が愛してやまない20冊!」フェアも好調だ=東京都千代田区の三省堂書店神保町本店で2015年7月29日
「ピース又吉が愛してやまない20冊!」フェアも好調だ=東京都千代田区の三省堂書店神保町本店で2015年7月29日

 第153回芥川賞を受賞した「火花」(又吉直樹さん作)を発行する文芸春秋は7月30日、同作品をさらに増刷し、累計169万部(17刷)とすると発表した。受賞後数度にわたって重版したが、全国の書店で今も売り切れが相次いでいるため。純文学作品としては異例の部数になった。(注:文芸春秋は8月4日に40万部増刷を発表し、累計発行部数は209万部になりました。同社刊行の単行本としては1993年の「マディソン郡の橋」256万5000部に次ぐ歴代2位です)

 電子書籍版(1000円)のダウンロード数も7万4088(6月11日〜7月26日)に達し、人気コミック作品を抑えて、主要書店の文芸書電子書籍販売ランキングを塗り替えた。同社関係者は「書店で売り切れが続いたため、電子書籍を購入した人が増えたのではないか」とみている。

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長く経済分野を取材してきた川口雅浩・毎日新聞経済部前編集委員を編集長に、ベテラン・若手編集者が経済・社会の最新情勢を追います。
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